第190話 空間魔法
俺は屋敷の土地の小屋にの中にあると思われる空間にいる。
あると思われる空間というのは、この空間が、どこにあるのか、わからないからだ。
この空間は誰が作ったのか分からない、床下に資料しか残っていなかった。
資料を参考にしながら、俺独自の空間を作ってみることにした。
参考にある空間は名前が知らない人が作ってくれているので、その空間をイメージしながら作ってみることにした。
そうすると実際に作ってみた空間は手のひらにできたんだけど、どうもうまくできていない
何回か繰り返しやってみると、徐々に形が角ばってきて、立体的に形成されるようになってきた。
本当に空間を作ると言う事は難しいことみたいなので、数回、繰り返しながら練習をしてみると、徐々にうまく形成ができてきたので、今度は手のひらサイズではなく大きくしてみることにした。
徐々にコツをつかみ始めたので、この空間の中でしか作れない場合もあるので、俺は外に転移して実際に空間を作ってみることにした。
屋敷の庭に転移してきたわけだけど、本当に外でできなければ使うこともできないし、どうやって使えばいいのかということを考えることもしなければいけない。
どこにでも俺自身が空間を作ることができれば、後はどうやって使うかと言う問題だけになる。
また俺たちがしばらくいても窒息するような、空気がなくなるような感じはなかったから、この空間にはどこかから空気が入ってきているわけだけど、どうやって入れているのかと言うことがわかっていない。
しかし作った空間と言うのは、どこに存在するんだろう。
もしかして作った空間と言うのは1次元に存在しているのかとも考えたが、確認しようがないからやめた。
普通は俺が使っている異空間収納と言うのは空気を入れることができないし、発生させることはできないから生物を入れることができない。
しかしこの空間では生物を入れておくことができるので、動物や人間でもしばらくの間、空間に入れて移動することができるので、冒険に行くときに危険を犯してその辺にテントを張る必要もないし、作った本人も入ることができるので誰かが表で待っているという事はしなくていい。
つまりこの空間だけで中にベッドを入れたり部屋を作ることができれば生活ができると言うことになるが、トイレは無理だし、お風呂もない。
そして、外からの干渉を受けることがないので、近くで火山が起きて大爆発を起こしていても音が響くこともないし地響きがすることもない。
と言うことを考えれば、異次元にあると考えた方が良いだろう。
俺がいろいろ考えたり、異空間を作ったり、外に転移して研究している間に、メンバーたちは異空間の中で遊んでいた。
俺はある程度、コツを習得したので、邸に帰ることにした。
「そろそろ屋敷に戻るよ」と俺が言うと
「あー面白かった」とアリシアが言ってきた。
「本当にめったにない体験をしたわ」とソフィア
「本当にめっちゃ面白かったわ」とイザベラ
「面白かった」とコリン
アレクはトラから人型に戻っていた。
ロゼッタもドラゴンから人型になっていた。
「たまには大きくなるのも、なかなか楽しいもんじゃな」とロゼッタが言っていた。
本当に外の世界では、大きくなれないため、この空間は本当に便利だと思う。
どんなに大きくなっても、暴れても他人の迷惑にはならない。
この空間魔法を作ったのは、誰だか知らないけど有効に使っていこう。
この空間だけは、ロゼッタとアレクが元の姿になることができる。
アレクもそうだけど、ロゼッタが元の姿になったときには、本当に全員がびっくりしていた。
屋敷に戻って、寝るには早い時間だったので、温泉に入りに行こうと言う話になって、ダイラス連邦の屋敷の温泉棟にきた。
今は、まだ明るい方だが、これから暗くなってくるので温泉にはちょうどいい時間だ。
温泉棟の前に来て、男性と女性に分かれて脱衣場に入っていく。
もちろん男性といっても俺一人なんだが。
今日も、いつも通り、内湯を通り越して露天の方でゆっくりする。
ゆっくり暮れていく空を見ながら、星が少しずつ見えだした。
本当に温泉に入るなら、昼間、入るよりも、夕暮れが俺は好きだ。
ゆっくり暗くなっていく時間を楽しみたい。
真っ暗くなってしまうと、また違った意味で良い感じはするが、ちょうど暮れて行く時間が、心にしみるというか、一番、好きな時間だ。
俺が、露天に入っていると、最近は、あんまり関係なくメンバーが揃うようになった。
最近、タオルは、巻いているけど、あまり気にすることなく露天に入ってくるようになった。
俺を男として見てないのか?
いつまでも子供じゃないぞ!
最近、やっと身長が伸びてアリシアを追い越したんだから。
露天に入ってくると、いつも通りにタオルをとったみたい。
俺は、腰に巻き付けているタオルを取ることはできない。
そういえば、うちのメンバーは、全員が髪が長いんだけど、その中でもアリシアとイザベラは特に長い。
アリシアの髪の長さは腰のところまである
イザベラも同じようなものだけど、若干短い。
いつもお風呂から上がって、洋服を着替えるのに時間がかかっているのかと思ったけど、髪を乾かす時間だったのか。
髪をもっと早く乾かすことができないだろうかと俺は考えて、錬金術を使って道具を作ってみた。
普通は魔物から出てくる魔石を使用して維持させることをするんだが、空間魔法のエネルギの原理を転用するとできると思う。
何年間かわからないけど空間が維持されていたから。
空間には魔石が使われていなかった。
俺は錬金術を使って、暖かい風が出てくる装置を作った。
そして自分で使ってみたが、早く乾いた。
なので、一度、脱衣場から出て、ドアをノックしてみて、「俺だけど、洋服を着ていれば出てきてくれない?」と言って、しばらくしたらアリシアが出てきたので、乾燥装置を渡した。
そして使い方を説明する。
「ここにボタンがあるんだけど、ボタンに触れると、風が出てきて髪が早く乾かすことができるよ」と説明した。
そして戸が締められて、風が流れる音がしたと思ったら、中で騒いでる。
便利だとか、すごいとか、言ってるみたいだ。
脱衣場から出てきた女の子たちに、ありがとうと、お礼を言われた。
いつも、良いものを見せていただいてるお礼ですよ、とは言わなかった。
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