第170話 召喚術

俺は召喚魔術を使ってアレクを呼び出した。

アレクはトラの神獣と言っている。


召喚魔術を行使する時、なにが出てくるかもわからないし、キャンセルはできそうもないし、返品はできないみたいだから、迷ったけど、可愛い女の子のアレクが出現してくれて助かった。


メンバーの女の子たちを守るなら、やはり女の子じゃなければ。


俺はこんな10メートルの大きな虎を、連れて歩くわけにはいかないし、どうしようかと迷っていたら、小さくもなれるらしいし、人の形にもなれると言ってきた。


しかもスタイルも良くて髪も長くて、かわいい系の美形だ。


本当に、こんな人と言うか、トラが強いのか、わからないが、強そうには見える。


存在しているだけで威圧感を感じるから。


しかし、小さくなったときには威圧感は感じなくなった。


13歳の女の子の人の形になった時も威圧感はない。


なんなんだろうな!


召喚した虎が人の形になったとき、妹みたいな感じがした。


しかし、俺には虎の妹はいない。


当たり前だが。


今は、まだ夜中だから、これから、どうしようかと思っている。


いまはダイラス連邦の屋敷にいる訳だけど、まだ12時くらいだから、ここの屋敷の部屋には、俺の部屋以外にも空き部屋があるので、その部屋を今日は使ってもらうことにした。


朝、早く起きて、虎のアレクに、どれぐらい強いのか聞いてみる。


そうするとアレクが、「え、私を知らないんですか?」と言われてしまった。


知らないから聞いているんだけど、「じゃあ私と戦ってみてください」と言われたので、戦ってみる。


人の型でも能力を解放すれば同じらしいので、人型で戦ったけど、氷の魔法、水の魔法、火の魔法、ジャンプ力、空を飛ぶこと、いろいろできることがわかった。


アレクは言っていたが手加減はしていたそうだ。


そうすると明るくなってきたので、俺はアレクと宿に帰ることにした。


部屋に帰ってくるとまだ朝早く、窓を開けて外を見ていた。


そのうちに朝食の時間になったが、俺はまだ出て行かずにメンバーが来るのを待っている。

しばらく待っているとアリシアがドアをノックしてきた。


俺がどうぞと言うと、アリシアが中に入ってきた。


アリシアが見たものは13歳くらいの可愛らしい女の子。


アリシアが一瞬、固まっている。


なんだか言葉が出ないような感じで、あぅあぅを言っている。


何を言いたいのかわかっているようでわからないから、どう話そうか一瞬、迷った。


う〜ん難しいよなぁ


でもアリシアに、召喚魔術が使えるようになったんで、召喚魔術を使ったら出てきた。


本当のことを言った。


そこでアレクが、「お姉ちゃんが対象なの?」とアリシアに向かって聞いていた。


対象とは何なのかと、おれも疑問に思っていたが、召喚したときに思っていたことだと気がついた。


そこで俺は「そうだよ」と説明した。


アレクは、「お姉ちゃん、よろしくお願いします」と言った。


まだ固まったまま起動していないアリシアを、肩を揺らして再起動させる。


やっと再起動したアリシアは、俺に向かって「クリス、まさか怪しい店に行ったんじゃないでしょうね、どこで買ってきたの?」と聞いてきた。


そんな失礼なことをアリシアが言ってきたけど、俺は聞き流して、違うよと答えた。


「アリシア、よく聞いてね、この子は俺が召喚魔術で呼び出したんだ」


まだ何か意味が、わからないような状態だった。

「アリシア、いい?、この子は俺が召喚魔術を使って呼び出したんだけど、本当はこの姿じゃないんだよ!


今は人の形をしているけど、本当は大きな虎なんだ。


ここでは大きな虎は難しいので、小さい虎になれる?」と聞くと、アレクは「うん、大丈夫」と言って小さい虎に変化していった。


なんだか見ているだけでも、すごい。と俺も感心しながら見ていた。


アレクは小さい虎になった。


そこで何となくわかったみたいなので、アレクに近づいて抱き上げて頬ずりしている。


「かわいい」とか、「柔らかい」とか言ってる。


アリシアが小さい虎を抱きながら、「やっとわかった、アリシア」と言った。


アリシアは「うん、クリスが変なことをしていないと言うことがわかって安心した。」と言った。


アリシアが、メンバーを呼びに行ってくれて、3人が俺の部屋に来たときに、アリシアと同じようなことが起きた。


また説明しなきゃいけなかった。


お腹減ったし朝食を食べたいのに。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2022年、2月23日(水曜日)

プロローグ編、そして1話から20話まで書き換えました。


初めはプロローグ編はありませんでしたが、増えていき、ついに10ページにまでなりました。


プロローグ編は1〜10あり完成しましたので、ご報告いたします。

特に最後は、力を入れましたので、お楽しみいただけると思います。


さらに第1話から20話までを新しく書き換えました。


プロローグはアルベルト編になっています。


アルベルトの成長と家族のこと、そして軍隊でのツラい生活、そしてライラとの出会いと‥‥‥お楽しみください‥‥‥作者より


お読みくださりありがとうございます。


いつも評価してくれる方、本当に励みになっております。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る