第143話 魔法の次の段階 2

自分では気がついていなかったけど、俺の魔法のレベルが上がっていると全員から言われた。

俺は、レベルが上がっているとは、思っていなかったけど、自然と何気なく使う事が出来ているようには思っていたけど。


自分では、そんな気がしなかったけど、少しは思い当たる部分もあるけど、それが魔法力が上がっていたからだなんて思いもしなかった。


そういえば、魔法を使うとき、スーって何気なく使えたような気がする。

これが魔法力が上がったという事なのか?


じゃ、もっと魔法力が上がると、どうなるんだろう?

気持ちを切り替えて、練習、練習


今までは魔法を使うときには、どうイメージしていたかと言うと、自分の中にある魔力を使う方法もあるけど、自然界には、魔力が満ち溢れているが、それに気が付かない人も多くいる。


気が付かない人は一生、気が付くことはない。

しかし、わかる人が、気が付ければ、魔力を自分の体に感じることができる。

その第一歩が、感じようとすることなんだ。


でも、言葉だけ聞いても、わからない。

人に魔力を感じて、と言葉で言ったって感じれるわけはない。


いつも感覚を研ぎ澄まして感じようとする人だけが、魔法に選ばれた人になり、魔法が使える。

しかし感覚を研ぎ澄ますって、言葉で言っても抽象的だ。

「はい、じゃ、感覚を研ぎ澄ませて~」って言ったら、できる人はいないと思う。

それほど難しいことなんだ。

簡単に魔法が使えると思っている人ほど、使っていない。


常に感覚を研ぎ澄ますことを考える。

その特訓だっていうのがある、ろうそくの炎を見ること。

どれだけの時間、ろうそくに集中しておくことができるか??

ほとんどの人が、数秒だろう。


数秒でも持てば、いい方だと思う。

集中とは何も考えない事。

考えてしまえば、集中していない。

無我の境地とか、言われることだ。

無我、何も考えずにおれる人間は少ない。


それほど何もないものに対して、見る、または、集中することは簡単ではない。


俺は、前世の魔法の因子があるし、生まれ変わったクリスとしての素質もあると思っている。

魔法を強くするためには、他からも魔力を集めること、前世ではできなかったことだ。


自分の魔力がどれくらいあるかは人で違う。

でも自分の中にある魔力を使ってしまえば渇望すること間違いなし。

俺は、最後は魔力枯渇を起こして死んでいるから。


そして魔法を使っているときに、外部から魔力を集めていくけど、自分にも充填しながら、使うことが基本だと俺は思っている。




メンバーの1番、良かったと思われるのは他人の魔力でも、それを感じ取ることができたこと。


他人が魔法を使っているのを見る事は簡単だ、でも他人が使っている魔法を感じ取ることができなければ能力の向上は無い。


でも幸いにして、ソフィア、アリシア、イザベラ、コリンにしろ全員が感じ取ることができた。


しかも、俺の能力が上がっていると気がついたのが、感じている証拠だと思う。


人は何気なく生きていれば、生きていくことができるかもわからないが、いろいろなものを分かろうとして生きていくということをしていないと伸びはない。


たまたま俺が能力が高いと言うだけであって、俺のような先生が多くいるはずはないと思うので、メンバーは、恵まれているかもわからないけど、俺だって成長途中だ。


俺だって、地下2階の部屋にある俺自身が前世で書いた本に出会わなければ成長と言うのはなかったかもわからない。


と考えれば、俺の先生は、前世の俺なのかもわからない。


それと、俺が能力を伸ばしたのは、もう一つあると思うんだが、原因は、アリシアがさらわれた事件だ!


多分、それが主な原因だろうと自分でも思う。


あの時の俺は、自分自身が恐いくらい、どうにかしてしまっていた。


今の世の中、どこの国でも起きている事なんだが、人さらいと言うのは非常に多い。


特に狙われるのは、女性の子供。


そして、それを買う奴がいる。

買う奴がいるから途切れることがない。


さらわれていく子供は、永久に戻ってくる事はないし、どういう結果になるのか、それは性の奴隷だろう。


場合によっては、粗末な食事しかもらえないこともある。


飽きたら、他に売られることも。


変態じみた奴や猟奇的な奴もいるから。


多分このことが、俺の魔法の能力を拡大させた主な原因だと思われる。


あれほど激怒した事は無いから!




せっかく全員、集まっているので、先程の続きを始めることを伝える。


先ほどと同じように、自分に魔力を纏いつかせて、濃密にしていきながら、それを外に一気に放出する。


しかし、魔力を外に放出してしまうと周りにいる人が怪我をしてしまうので実践はできない。


そう思って、以前、王都の外で練習していた場所に転移してきた。


魔法を外に一気に放出するのを見せるために、どれぐらい離れていれば安全なのか?


う〜んと俺は考えてみる。


ちょっとわからないから、軽いのからやってみようかなと思って説明した。


まず遠いところから感じることができるかと言うことをやってみようと思うので、俺が離れることにした。


離れる前に、多分、風がすごい勢いで来ると思うんだけど、みんな身構えているんだよと言った。


俺が手をあげたら発動するからね。

もし何も感じなかったら少しずつ近づいてきて。といった。


まずは俺から見ても、女の子4人から見ても、見える粒しか見えない位置に移動する。


目で見ても、かなり遠い位置に4人はいる。

なので、軽いのから始めてみる。


まず自分に魔法をまとわせて、一気に濃密にして、そこから軽く外に向けて放つ!


4人がいる方を見ていたが、草や花や木までが大きくしなって、4人全員が吹っ飛ばされた。


あれっ、軽くしたんだけど。

俺は4人を助けるために、転移した。


ケガは、なかったみたいだけど文句を言われた。

俺は謝ったが、「かなり弱くしたんだけど」と言った。


全員が吹っ飛ばされたが、何かを感じることができたのかなと思って聞いてみたが、そんな暇はなかったそうだ。

じゃあ、どうしようかなぁ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る