第131話 ダイラス連邦へ
アーロン伯爵領だった街で、俺たちがやるべき仕事は終わったので、この町にいる王子に旅立つと言うことを告げて、他国へ行こうとしたんだけど、王子には本当に感謝されてしまった。
王子に他の仕事を押し付けられそうになったので、きっぱりと断って馬車で街を出て行った。
街にいつまでもいると、いろいろな仕事を押し付けられそうで怖いんだけど。
俺たちは王子に見送られながらアーロン伯爵領だった街をあとにした。
今から寒くなる季節になってくるし、今から行こうとするダイラス連邦は北にある国なので、早く行かないと道が雪で通れなく恐れがある。
そういうこともあって、街を早く出ようと思ったわけだ。
俺たちは王都から出発するときには、前もって防寒着を購入している。
毛皮も多く持ってきているので、大丈夫だろうと思うし、現地でも、お金さえあれば調達はできるから。
俺たちは馬車で揺られながら、ダイラス連邦へと続く道を進んでいる。
ダイラス連邦は、連邦と言うだけあって、いくつかの国が共同で1つの国家をなしている。
一応、トップの人が1人いるみたいだけど、王様と言うのはいなくて、数人の首長が会議で決めるらしい。
一応、首長会議の議長が代表になるらしい。
首長は、1つの国の王様を表すらしいんだけど、その王様が複数人いる共同国のことを言うらしい。
馬車が北へ向かえば向かうほど徐々に、ひんやりしてきた。
今まで半袖を着ていたけど、長袖に着替えることにする。
これだけ冷えてくると野宿は、暖かくして寝ないと寒い可能性もある。
北へ行けば行くほど、どんどん気温が下がっていき、山に近づくと、もっと気温は下がってくる。
徐々に草は少なくなっていき、荒地になっていく。
寒いと、寒さに抵抗がある草しか生えないから。
そして植物の形態も変わってきた。
寒さに強い木や花や草が多くなってきている。
でも空気は、澄んできている。
大きく息をすると、冷たい空気が肺の中に入ってくるけど、おいしい空気と言う感じに思う。
さらに北に近づけば近づくほど、空気を吸うことが大変になってくるかもわからない。
寒い国だって、暖かい時期もあるので、暖かいときには野菜や果物も豊富に育つんだが、冬自体が長く厳しいと食べるものも食べれなくなる。
また暖かい時期と寒い時期では物価の値段が違う。
今は馬車を操ることに慣れているソフィアが御者をしている。
街道を歩きながら、どんどん進んでいくが、そろそろ暗くなってくる。
まだ街にはつかないので、俺たちは野営をするための場所を探している。
まだ馬車を走らせていくと、道からそれた良い場所を見つけた。
馬車を止めて野営の準備を始めるが、俺は、すぐに土魔法で、かまどを作る。
そして近くに落ちている枯れ木を集めて火をつけた。
イザベラが、さらに周辺にある枯れ木を集めてきてくれた。
アリシアが、鍋を持ってきてくれたので、俺はその鍋の中に水魔法で水を出す。
そして、かまどの上に置いた。
まだ王都から出発して、そんなに時間が経っていないので俺の収納魔法には、いろいろな食材が入っている。
アーロン伯爵の領地だったところでは、汚染された水を使って畑の作物を育てているので、あまり良くないと思い伯爵領では購入する事は控えた。
今日の料理は、スープと焼肉にした。
かまどで肉を焼いていくだけのシンプルなものだが、肉の香ばしさと、熱々の感じが食欲をそそる。
十分に焼いた肉から肉汁がでてくるのが、いいよね。
肉が焼き上がるのを待って、スープを作っているが入れる具は野菜だけ。野菜スープだ。
そして紅茶を飲むために、お湯を別に沸かしている。
おいしい食事を食べた後、食後の紅茶を楽しんでいる。
でも火に枯れ木をくべておかないと、ちょっと寒い
火に温まりながら、寒いけど紅茶で温まると言うのもいいもんだ。
やはり日が暮れて夜になると、一段と冷えてきたので、早めに寝床に入るようにする。
食後の後片付けを女性陣にしてもらいながら、俺は馬車に入って寝床の用意をする。
寒くないようにすることと、女性4人がまっすぐ世を伸ばして寝れるようにしなければ。
特に今、使っている馬車は、幌馬車なので余計寒い。
だから毛布と毛皮をいっぱい持ってきた。
でも馬車の中で、そんなに空間は無いけど4人が寝るので、人のぬくもりがあると思うので、少しは暖かいかもわからないけど、俺は1人で寝なきゃいけないから寒い・・・
1人で寝る寒さで凍えるかもわからない、と言うのは冗談で魔法の結界魔法で覆ってしまうと寒さは、そこまでない。
俺の魔法の結界魔法は、寒さや暑さも防いでくれる。
空気だけは通る事ができるように工夫しているが、水分は通さない。
そして感知魔法の危険予知魔法を作動されて寝るので、魔物や人が近づいてくると、自然と目が覚めてしまう。
馬車の中でゴソゴソしていて、出てきたら目の前に女性4人が立っていた。
イザベラが、「なんか変なことをしていたんじゃないでしょうね」と言ってたので、「してないよ〜」と答えて焚き火のほうに歩いて行った。
馬車の中を見た女性陣が、驚いていた。
「今日は寒いけど、馬車の中は暖かそうね」とソフィアが言っていた。
喜んでもらえてよかった。
さぁ俺は1人寂しく自分の寝床を用意しよう。
あまり近づかないようにして焚き火の近くにシートをひいて、その上にクッションを置いて、毛布と毛皮を用意する。
これが俺の寝床になる。
そして寝るときには自分で守るために魔法の結界をかけて寝る。
例えば盗賊が来て切り付けてきても結界が守ってくれる。
俺が寝ようとすると、馬車の方角から、4人の声で「おやすみなさい」と言う声が聞こえたので、俺も「おやすみ」と言っておいた。
朝、目覚めたら、俺たちは、さらに北を目指していく。
そして、ついに、国境の関所を越えた。
国境の関所を越えるときに、両側に街があったが、越えたほうの街で1泊する。
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