第77話 村へ
村から届いた、俺とアリシア宛の手紙は、開けてみると母親が病気になったと書いてあった。
俺とアリシアは手紙を読みながら、どうしようかと考えていると、アリシアが「一度、村に帰ろうよ」と言ってくれたので帰ることにした。
しかし手紙が届いて、すぐにでも帰れたんだが、転移魔法で、すぐに帰ると、おかしいと思われるかなと思っていると、手紙は結構な日がかかって届いていると言うことを思い当たったので、すぐに用意して村に帰ることにする。
他のメンバーに、あとのことをお願いする。
俺とアリシアは誰もいない部屋から村に転してきた、村と言っても、建物の中ではなく、村の川の近くに瞬間転移してきた。
アリシアは、転移魔法のことを知っているので構わない。
けど、それを考えたら、以前のことが思い当たった。
あの時は良いものを見せてもらった。
なんてことを考えていると、顔がにやけてきた。
アリシアが俺の顔を見て、?、を浮かべているけど、何も言ってこない。
以前、転移した、川の近くに出てきた。
急いで俺の家まで走って向かう。
ちょうど家の前で畑仕事に行こうとしていた父親とあって、話を聞くことができた。
10日くらい前から母親が顔色が悪くなり寝込むようになったそうだ。
どんどん衰弱も進行していき、最近は立つのも、ふらつきながら立っているそうだ。
徐々に食事もできなくなっていると言っていた。
家の中に入っていくと、母親が寝かされているベットには近づいていくと、「お義母さん」とアリシアが言った。
アリシアが近づいていくと母親は目を開けて、左手を持ち上げた。
持ち上げた手をアリシアが握って「お義母さん大丈夫?」と言っていた。
母親は、そばにいるアリシアと、立っている俺を見て、「よく帰ってきてくれたね」と言って涙ぐんだ。
状況を聞くまでもなくこの村には、代替わりしている産婆さんしかいないので、医者はいない。
一応、送金はしていたみたいだけど、使っていないみたいだ。
また、この時代は、お金を送ると言うことも途中で紛失する可能性の方が多い。
なのでお金が届いてるかどうか疑問に思っているけど。
俺は、両親に、伯爵になったと言う事は伝えていない。
どう言ったら、いいかわからないからだ。
聞かれるのは、どうしてなったのと言うことだろうから。
アリシアが、そばにいる状態で俺は魔法で母親の状態を確認してみた。
そうすると、肝臓に問題を起こしていることに気がついた。
肝臓が問題起こすと、顔色が極端に悪くなってくるから、今の母親は、そういう顔つきをしている。
これも今の屋敷で多くの本を読んだ知識からだ。
なので邸から持ってきたと言うのは嘘だけど、1本のポーションを差し出した。
栄養がつくポーションだから飲んでみてと言ってアリシアとともに母親を支えながら起こして飲ませた。
このポーションは俺が救った最上級ポーションの1つで治癒能力が高い。
しかし、それでも治せないものもある。
それは自分が魔法で直すことにする。
そう考えて母親の体を確認しながら集中して直しているとアリシアがいる目の前で母親の体が輝き始めた。
アリシアは母親のベッドの横で膝をついているんだけど、俺は椅子に座っていて集中することから目をつぶってしまう傾向があるので、目をつぶって集中していたら、母親の体が輝き始めたのをアリシアに言われて気がついた。
「お義母さんの体が光ってる」
とアリシアが言ったので目を開けて俺の魔法と言うのは威力が強いんじゃないかと思い始めた。
それから母親の体が瞬く間によくなってきた。
そこに父親も入ってきて、寝ている母親の顔色が良くなってきたのに驚いていた。
これは、もう隠してはいけないかなと考える。
ごまかすことや言い逃れはできるけど!
あとで説明するからと言って母親には、しばらく休養のため寝てもらう。
母親が寝ている間に、俺たちは無言で食事の用意を始める。
アリシアも、父親も聞きたそうにしていたが。
俺からは話さないので、聞かれなかった。
夕食の間も、母親は目を覚ます事はなく、俺たちは、そのまま家に泊まった。
もちろんアリシアは、母親と同じ部屋で、違うベッドで眠った。
俺は以前、使っていた、部屋で眠った。
父親は、以前アリシアが使っていた部屋で寝たようだ。
翌朝目が覚めると、母親が目を覚ましていて朝食の用意をしていた。
「目を覚ましたら、久しぶりに動きたくなったのよ」と言っていた。
顔色を見てみると今日はかなり顔色が良い。
「アリシアは?」と聞くと、まだ寝ているわと答えた。
昨日なんだか、あなたたちが帰ってきて夢を見たような気がするのよねと母親は言った。
クリスとアリシアが帰ってきて、うれしかったのか本当に久しぶりに良い夢を見れたのと母親が言った。
それでかしらね、久しぶりに元気になれたのと言ったが、母親がここで爆弾を落とした!
「そんなわけないわよね」
「クリス、あなた私に何をしたの?」
俺は戸惑いながらも、もう隠しておけないなと考えて「あとで説明するよ」と言った。
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