第42話 城の中

俺たちは早速、たった今からシャーロット王女の警護をするようになった。


でも女性4人はいいけど、俺は少し疎外感を感じている。


どうしてかって?


わかるでしょ!


女性同士だからいいけど、俺は男だしね。


シャーロット王女と女性4人が話す時も、俺は話に加わることができない。


なので女性4人にはシャーロット王女を任せて、俺は城の中を見て回ることにした。


部屋を出ようとした俺は、


「ちょっと城の中を探検してきます」


と言って出ようとした時に、イザベラが、「ちょっと私たちだけで大丈夫と思うの?」と言ってきた。


この部屋には他にも、3人のメイドと女性騎士が5人もいるので、そちらの方を確認して「これだけいれば大丈夫でしょ」と言って城の中を探検するようにした。


この部屋には大きな部屋だけど、13人の女性たちが入ることになる。


もちろん意識は常に、感知魔法で、この部屋と、この部屋周辺に張り巡らせるようにした。


動きもわかるし、何があっても、すぐに戻れるように。


もちろん前世の記憶が少し徐々にしっかりしてきているので、以前のような魔法が徐々に使えるようになってきたのが、安心感を与えているので大丈夫だろうと思った。


部屋から出るときにイザベラが、「いい加減な奴」と言っているのが聞こえた。


部屋を出て、廊下に誰もいないことを確認して、誰もいないベランダに出てきて俺は感知魔法を使った。


空いてる部屋もあるかもわからないけど、人がいたらやばいしね。


ベランダだったら俺でもいけると思うので。


廊下から見えたベランダは、近くにきてみると大きなベランダだと気づいたので、一度、ベランダから景色を見てみるとお城の1部分や城下が見える。


結構、ここから見た景色は良いみたいだ。


ここなら、高さもあるので、いろんなところを確認しやすいと思い、いつまでも景色を見ていないで、集中するためにベランダの端っこに移って柵を背にして座った。


さすが、お姫様が住んでいるフロアは上階にあるから。景色がキレイ



俺はベランダに座って、お城の方を向いて、あぐらを組んで座る。


そして目を閉じる。


もちろんこの時も、お姫様のいる部屋を確認するのを忘れない。


目を閉じてから、自分の周りに魔力を集めていき全身をオーラで覆うようにする。


まずはお城の中から確認しなければいけないので、自分の近いところに、賊がいれば早めに対処しなければいけないから。


索敵魔法を薄い膜のようにして大きく、大きく、大きくしていくしていく。


離れれば離れるほどオーラは薄く弱くなるけど、オーラに触れたものを喚起するだけなので構わない。


意識を集中して、オーラを波のように流していく。


一度、全体に張ったもの、そして、それにかぶせるようにしてオーラは波のように次から次へと走っていく。


どんなやつがいるかわからないから、動きを一人一人確認しなければいけない。


サーチしていくと、一生懸命、掃除をしているもの


料理を作っているもの (料理を作っているものが1番怪しいが、調理場と持ち込んだものや衣服などを監視が強化されているみたいだ)


廊下を歩いているものが見える


トイレに入っているもの


机に座って何かを書いているもの


おっと、城の中で男性と女性が体をひっついているもの


食事をしているもの


色々な人が城の中を動いているので、時間はかかるが見つけやすい。


それらを何回か確認していると、不自然にキョロキョロしたりするものがいた。


30代くらいの男性みたいだけど、何の仕事をしているのか動き方が不自然だ。


俺は、しばらく、この男性にターゲットを絞って見ていることにする。


どこかで、必ず、尻尾を出すはずだから。



でもその日は、尻尾を出す事はなかった。


人と言うのは目的があってお城の中にいるので、キョロキョロする事は無い。


廊下を歩く時も、あまり周りを見ることもなく、キョロキョロする事は無い。


こいつが怪しいな。


あとは誰と接触するのか。


単独であればいいんだけど、毒の入手ルートも必要だし。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る