第39話 王都に到着


遊びに行っていた先から帰還した王女が乗っていると言うことで、新たに近衛騎士のメンバー数人が、乗馬した状態で横に護衛についている。


俺も馬車の窓から覗いてみると、なんだか騒がしいような物々しさがある。


「何かあったのかな」


城下で暮らす人々が、あっちこっち数人で話している。


そして兵士がうろうろしたり、憲兵隊と思われる格好をした人もいる。


王都と言うのは、いつも、こういう物々しさがあるのかなと思ったけど。


なんだか、それにしては変だ。


そう思いながらも俺は馬車の窓から少しだけ顔を出して建物や人を見ている。


情報がないから考えてもわからないから、しばらくは窓を見ながら街並みを見物する。


今、俺が乗っている馬車の中は、周りは荷物だらけだしね。

お姫様の洋服やメイドの荷物ばかりだ。


話し相手もいないし。

もちろん馬車を操る御者さんはいるよ。


でも話しかけても黙っているし。

しばらく王都の街並みを見学しながら、ゆっくりしていると大きな建物が見えてきた。


王城みたいだ。

王城に入る前に、塀があるので門番がいる。


そこでお姫様は、メイド3人とともに違う馬車に乗り換えた。

護衛の5人も降りていった。


お姫様が乗る馬車は、デザインが凝っていて金襴豪華だった。


あと残された、俺たちメンバーと荷物と馬車は、お城の裏側に回された。

俺たちは裏側から入るのか?  扱いが違いすぎる


お城に運ばれる前に、用事がないから途中の街で降りようとしたけど、どうしてかわからないけどダメだと言われた。


メンバーの女の子4人と、俺は、馬車から下ろされ、御者に近くにいるメイドについていくように命じられた。


薄暗いところから入っていくと、ある部屋に通されて、そこで待つように言われた。


「何があるんだろう」


お城の中を歩いていく時に、姫と馬車に乗っていたから、知ってるかもと思ってアリシアに聞いてみても、知らないと言ってきた。


もしかして牢屋に入れられるなんてことが‥‥‥


姫様の顔を見たから、死刑だとか‥‥‥


通された部屋を見てみると、一応、窓はあるけど金具が、はめてあって、そこから出ることができない。


入り口の所には警備の兵が立っている。

部屋の中にはテーブルと長椅子が2つ置いてあるだけだ。


一応お茶が飲めるように、温かいものを入れても冷めないような容器のものと、コップが置いてある。


1時間たっても何も言ってこない

さらにもう1時間経った。

扉越しに警備をしている兵隊に聞いてみても答えてくれない。


「もう、なんなんだ〜」


部屋に入って話をしなかったが、待ち時間が延々と長くなるのでみんな不安になったみたいで、話し始めた。


「ここに押し込められてずいぶん経つけど、どうなっているんでしょうね」とソフィアが言った。


イザベラが、「扉を壊して出る?」と怖いこと言ってきた。


コリンが、「窓からも出れるよ」と言った。


一番、お姫様と仲が良かったアリシアだけが、「もうちょっと待ってみようよ」と言った。


その時に扉の外で誰かが話すのが聞こえて、扉が開かれた。

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