第35話 王都に向かう
女性陣は、お嬢様が乗っている馬車ではなく、他の馬車も使って、馬車のなかで窮屈な状態で寝ることになる。
まぁ、外で寝るのと、どちらが良いかと言うと、俺なら満天の星空を見ながら、寝るのが良いな。
あとは雨と雨つゆを防ぐことができれば良いんだけど………あとは、虫だな。
寝ていると虫にかまれることもあるし、朝、起きたら体がむずむずして全身、虫にたかられていたと言うこともあるだろう。
だから女性たちは馬車の中、しかし、俺たちは急遽、依頼を受けてやってきたので、馬車の中か、外でなるか選択する必要があるが、全員が馬車を選んだわけだ。
俺一人で、知った人はいない場所で寝るって………ふんっ、いいんだ、良いんだ、俺なんか………と一人芝居をしてみるけど、近くには誰もいないし見てくれる人もいない。
まさに一人芝居………一人で演じて、一人で楽しむ。
………面白くな~い、つまんね~
おっと馬鹿なことやって、一人芝居でいじけていないで
俺は、一人で焚き火の横に行って、寝る毛布を下に引いて、上にも毛布を巻いて寝ることにした。
つまり俺の周りにも毛布、下にも毛布
足も伸ばせるけど、外だよ。
俺は1人で、焚き火の横で寝ているけど、1人と言っても、主変に、お嬢様が乗った馬車が止まっているし、メンバーが乗った馬車があるし、その周辺に警護をする5人の男性が交代で寝ている。
だから本当の意味で一人でいるわけでは無いけど。
しかし別段、知らない警護の人と話をするわけでもないので、実質的には1人のような感じ。
警護の人たちも、話してくるなと言うオーラを出している。
そして周りがうるさいと馬車の中のお嬢様が眠れないので、必然的に黙っていることになる。
警護の人も、ほとんど話さない、話す時には、すごい小さい声。
早く寝てもいいんだけど、暇なので座って焚き火に当たるふりをしながら、頭の中で考えながら研究することにした。
実際に周辺に人がいるので、人から見える状態で魔法を研究することができないけど、頭の中でなら可能だから。
そして、自分が乗っている馬車の中でも1人だったので、ちょっとした研究を思いついたので。
警護の人たちがいるところでは、やりにくい。
その研究というのが、自分が近くに、いなくても回復させることができるポーションの研究。
ポーションといっても回復系のポーションもあれば、治癒魔法に匹敵するだけのポーションもあるので種類がいくつかある。
一般的に世の中に出回っているポーションは値段が高い割には効果は薄い。
メンバーたちだけでも、予備に持ってもらうことができないか研究しているとこだ。
前世の記憶がある俺にとっては、ポーション作りは簡単なことだけど、昔と今とは違うかもわからないから効果的に、向上しないか研究することにした。
以前も、よくこういう風に研究して、新しいポーションを作り出していたが、部下や弟子は、いっぱいだけど、使う材料は同じでも、俺と同じ製品はできないと言っていた。
自分にとっては特別なことをしているとは、思っていないんだけど、、他の人が同じように作っても、粗悪品ができたり、性能的に劣る製品になってしまう。
ポーションといっても成分的には薬草成分を含んだ葉っぱと水と、あとは魔力が必要なんだよね。
多分、一番、最後の、製作者の魔力の違いがポーションに影響していると思う。
疲れたときに飲んで回復させるポーションもいいけど、傷も同時に回復させるポーションもいいと思うんだ。
しかしポーションを作るためには、専用の瓶が必要になる。
専用の瓶に入れておかないと性能が落ちるし、劣化していくんだよね。
でも自分が専用の瓶がない時に、そこら辺にある容器に数日間、入れて忘れていた時に、劣化がなかったんだよね。
だから自分が作るのは、他の人が作るのと違うんだと思う。
やはり、これも魔力が関係しているのか?
少し暇になったので、トイレに行くふりをして近くを散策してみよう。
良い薬草があるかもわからないからね。
あまり遠くに行くことはできないけど、近くを歩いてみると結構、良い薬草が、その辺にある。
あとは水が必要だけど、水魔法で作り出すことができるから、探す必要はない。
「これと、あっこれも」と薬草を採取する。
必要な薬草が揃ったので、あとは馬車で実験してみよう。
いまだに俺は馬車に乗っている、お嬢様の顔を見ていない
朝になった。
全員で朝食をとるけど、お嬢様だけは馬車の中。
メイドの人が時々、馬車にいるお嬢様に食事を運んでいる。
本当にお嬢様なんて乗っているのかな?
そうこうしているうちに出発になった。
お嬢様だって人間なのでトイレはするだろうに、どうしているんだろう?
野営だけではなく、宿場町の宿にも泊まっているが、俺たちは、自腹になるので、お嬢様と同じ宿には泊まれないかと、思っていたら、お付きの侍女さんが、お嬢様からのご厚情により、同じ宿に泊まって良いと言われた。
けど、空いてなかった………残念。
だから、安宿に泊まって、朝早くに、宿まで遅れることが無いようにと言うお達しの命令が下される。
でも、一度も見ていないお嬢さまは、本当に乗っているのだろうか?
誰かに狙われているのか、急がなきゃいけない理由があるのか、それは、わからないけど、護衛の人たちはが、俺たちを………あっ、そうじゃなかった………俺を阻む。
俺だけが、お嬢様を見る機会がない。
なぜだ? 避けられている?
***
野宿をしたり、宿場町に泊まったり、できるだけ急いでいるみたいだが、さすがに日が暮れての馬車は危ないので、臨機応変に対応しているみたい。
しかし、殺気立っていることから、どうしてか理由は教えてくれないけど、急いでいると言うことは理解できる。
なんて言うことを考えながら1番、最後の馬車に乗って荷物に埋もれながらポーションを作ることにする。
本当はポーションを作るときには火が必要なんだけど、その辺は魔法で、どうとでもなる。
そしてポーションを作ってみて、確認するために鑑定してみるが、一応、鑑定眼を持っているので、確認してみると最高のポーションが出来上がった。
ポーションが5つ出来上がったので、次元収納に収納する。
手元に置いて来なくても、バックに入れなくても瞬間的に収納することができるので大変便利だ。
しかも重たくない。
この移動の日も、夕方まで盗賊や魔物に襲われることもなく、野営地についた。
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