あれで口説いてなかったとかふざけるなあああああああぁぁぁぁ！！！！
帝国の守護者リンファは、少女の頃より他を寄せ付けなかったその圧倒的才能ゆえ、深い深い孤独の中にあった。
誰も自分と対等に接してくれない。挑んでくれさえもしない。
そして、戦場で並び立ってくれることも、ない。
そんな日々の中に、リンファを倒すと豪語する一人の青年が現れた。
名はカドウォーレン。
彼は手段を選ばなかった。鍛錬はもちろん、礼を尽くして出世に臨み、活躍をし、時には恥を忍んで倒すべきリンファ本人に師事を仰いだ。
すべては彼女に少しでも近づき、打ち倒さんとする志ゆえに。
ちーっとばかし感化される女性が多かったとて、当のリンファが口説かれたと勘違いして舞い上がったとて、彼の意図するところではないのである。
