子どもの世界

私、こども園にママ友という存在はいない。知っている人がいないわけではないが、お迎えの時間が被らなかったりして顔をあわせることがほとんどない。かといってお迎えで一緒になる親と話すかと言われるとそうでもない。知り合い同士で話しているところは見るが、今のご時世のせいかわりと皆さん距離を空けてひとりで立って子どもを待っている。だから顔は知っているが名前は知らない人という感じだ。

だが、子ども同士はそうではない。コンビニでばったり会ったりすると「○○くんだ!」もしくは「こども園の子だ!」と言うことが増えた。向こうでも「○○くんだ!」と言っているのが聞こえたりする。お迎えで顔をあわせたことがある人だとちゃんと認識して挨拶するが、そうでないと親同士は全然知らない人同士だ。

今までは子どもの知っている人は全部私の知っている人だったが、こども園に行って子どもだけの世界が広がり、親が知らない子ども同士の繋がりができてきたんだなあとしみじみ思う。あと、息子に名前を呼んで声をかけてくれるような友だちができたんだなあと思うとこども園での様子がなかなかわからない親としてはやはり嬉しい。まだ3歳だが、こうやって少しずつ親の知らない子どもだけの世界を広げていくんだろうなあと思うと寂しくもあり成長が嬉しくもある。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る