第54話 閑話─ある日の殿下の授業中




退屈な授業中、窓から何気なく外を見ていると

ざわざわと生徒達が歩いてきた。

赤いタイだから1年か…………



レティだ。

レティがいる………



レティのクラスがやって来ていた。

奥にある池に行くみたいだ。



3年と4年が同じ棟で、2階に3年生、3階に4年生がいる。

同じ様に別棟に1年と2年がいる。


なので1年生と3年生が学校内で出会うことは、食堂以外では滅多に無いのである。





チクショー、可愛いなあ……

レティが友達たちとコロコロ笑いながら歩いていく。



こうしていたら普通の15歳なんだけど………

いや、何時も普通なんだよ、普通に可愛いんだけど

予測出来ない事をやらかすんだよな………



そこがまあ、俺の惚れたレティなんだよね……




「 っつ!!」


レティにデレデレ話しかける不埒なオスが、レティの手を取ろうとしてる。

咄嗟に不埒なオス目掛けて指をパチンとならしたら、小さな雷がオスの尻に命中した。



「 うわ~っ!!何?? 」

不埒なオスが尻を押さえてキョロキョロしてる。

周りの生徒達もワラワラと騒いでいる。



不味い………



レティが顔を上げて俺を見ている。



両手の掌を胸の前に上げて、僕ではありませ~んポーズをする。



するとレティが

口パクで『 コラッ 』と言いながら握りこぶしを振り上げた。

うわっ!!可愛い……




バレてる………

そうだ彼女は開花の時に俺の魔法を見ているのだ。



たまたま小さな雷で済んだが………

魔法の部屋で、ルーピンに雷を落としまくった時は

ルーピンは吸収のローブを着ていたから、前髪が焦げた位だった。


危なかった………嫉妬で殺してたかも知れない………




「 ゴホン………殿下………? 」




あっ、ヤバい………

授業中だった………






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