第24話 閑話─手取り足取り教えましょう
学期末試験が終わった頃のお話です。
今日は語学クラブの2回目。
先生はレオナルド。
今日は、兄のラウルが来ていた。
ラウルも語学クラブの部員だったらしい………
なんと、殿下とエドガーも部員らしい。
レオナルドは時々参加しているみたいだが、他の3人は幽霊部員である。
「 さあ、今日は母国語は禁止だよ 」
レオナルドがウィンクをしながら言った。
こいつはカフェの赤毛のシェフと同じ匂いがする。
レオナルドがペラペラと喋りだしたら、慌ててラウルが応酬をしだした。
1年生部員が、目を真ん丸にして2人をキョロキョロとみていた。
レオがカッコいい。
お兄様もカッコいい。
ラウルにとって、1年間の留学は伊達じゃ無かった様だ。
「 さあ、我々はどんな会話をしていたのでしょう? 」
レオナルドが流し目をしながら質問をしてきた。
レオナルドの流し目に、もう1人の女子部員のリンダが顔を真っ赤にしていた。
うわ~流し目をしたよ。
こいつ………
でも、確かにレオはカッコいいわよね。
「 いや、今の会話は忘れた方が良いぞ! 」
ラウルがイライラしながら言い切った。
?、?、?
何か言ってはいけない事を言ったみたいだった。
レオナルドはニヤリとしながら
コホンと咳払いをして、資料を手に取りながら喋りだした。
ラウルも資料を見ながら会話の相手をする。
耳から入ってくる2人の会話がとても勉強になる。
皆が必死に耳を澄ます。
良いな~
私もやっぱり一度は留学をしてみたいと思う。
馬車までの帰り道
「 レオ!結局ピーとかピーって何なの? 」
「 レティ!それ、もう忘れろ! 」
ラウルがしつこいぞとばかりに睨み付ける。
「 優しいお兄さんが手取り足取り教えようね 」
……とレオナルドの瞳が妖しく光る。
私は
あい!っとばかりにパタパタと尻尾を振る。
「 止めろ!レオナルド! 」
ラウルが慌ててレオの口を塞ぎに行った。
「 楽しそうだなお前ら 」
アルベルトとエドガーが、ちょうど校舎のドアから出て来た。
「 エド!こいつを連れていけ!レティにピーとかピーとかを、手取り足取り教えるって言うんだぜ! 」
アルベルトもエドガーもギョッとしていた。
エドガーは無言でレオナルドを抱えて連行していった。
「 レティちゃん、またね~ 」
………レオナルドは両手をヒラヒラした。
何なの?
ピーとかピーとか絶対に気になる。
「 もう、絶対に意味を調べてやるわ 」
「 いや、レティ………調べない方が良いと思うよ 」
アルベルトがバツが悪そうに呟いた。
楽しそうなある放課後の一時でした。
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