第383話 しない方がマシな謝罪
入学式の翌日、アイザックは気が重かった。
一晩考えた程度で答えが出るなら、この程度の問題は世の中からなくなっている。
(その場しのぎにはなったみたいだけど、それが解決じゃないしなぁ……)
助言を与える立場が確定したという事もあり、昨夜は使者が送られてきた。
ウェリントン子爵は、フォスベリー子爵に「一学期の間に見つけてみろ」と四ヶ月ほどの猶予を与えたそうだ。
ダミアンに対する処罰や賠償も、見つけた相手次第でどうするか考えるとの事。
恨みはあるが、友人への信頼は厚かったらしい。
フォスベリー子爵が、どんな相手を探してくるのか期待しているのだろう。
だが、代償なので生半可な相手では許されないはず。
まだまだ厳しい状況であることには変わりはない。
「アイザックくん」
校門のところで、アマンダに声をかけられた。
彼女の隣にはジャネットがいた。
二人の表情は優れない。
「おはよう、アマンダさん。ジャネットさん」
「おはよう……。話は聞かせてもらったよ。サンダース子爵夫人が考えたらしいね」
アマンダは疑うような目を、アイザックに向ける。
彼女は、本当にルシアが考えたとは思っていない。
アイザックが意見を出したか、そういう方向へ誘導したのだと思っていた。
やはり彼女にとって、アイザックがダミアンのために行動しているというのが不満なのだろう。
相手がアイザックといえども、不満を隠そうとしなかった。
「ええ、母上が思いつきました。今は悲しみで何も考えられないでしょうが、これからの人生をより良いものにする事も重要です。これまでの人生よりも、卒業後に生きる人生の方がずっと長いですからね」
「そうですね。サンダース子爵夫人のお言葉なら……」
ジャネットは「ルシアの言葉なら、その重さは別格だ」と考えたようだ。
人生を誰と共にするかは難しい問題である。
ルシアは今のリード王国貴族内で、結婚に関してかなり苦労したであろう一人だ。
彼女が「ダミアンの事に引きずられるより、先を考えろ」と言うのであれば聞く価値がある。
しかし、それはそれ。
ジャネットの表情は悲しみに包まれていた。
気を取り直してほしいと思い、アイザックは話を逸らそうとする。
「ところで、どんな男性が好みなんですか? 参考までに伺いたいのですけど」
アイザックの質問にジャネットは困ったような顔をする。
だが、ちゃんと答えてくれた。
「私を否定しない人……ですね」
「そうですか……」
(重い、やっぱりこの話題は重いぞ……)
彼女がダミアンに別れを告げられたのは一昨日の事である。
まだダミアンに真っ向から否定された事から立ち直れていない。
気の利いた話題を切り出せればよかったのだが、それはそれでアイザックには荷が重い。
どうしても、最近あった話題になってしまう。
この時、なぜかアマンダが一番慌てていた。
アイザックとジャネットの顔を何度も見比べ、口をパクパクさせていた。
(やばい、非常識な質問をしたと思われたか……。心が離れるのはかまわないけど、こんな嫌われ方は嫌だな。誤魔化さないと)
アマンダの反応を「そんな質問して! ジャネット大丈夫かな?」と心配しているのだと、アイザックは思った。
だが、いきなり話題を変えるのも不自然なので、やむを得ず続ける。
「大丈夫ですよ。きっとすぐに見つかります。意外と身近なところにいたりするのかもしれませんね」
「いつまでも立ち話をしていたら、遅刻しちゃうかもしれないよ。教室に入ろっか」
「そうしましょうか」
アマンダが慌てて教室行きを促す。
まだ時間には余裕があったが、今の話題を打ち切ってくれたので、アイザックはこの提案に乗る事にした。
アマンダ達と共に昇降口へ向かう。
すると、そこには男子生徒が集まっていた。
「お前さぁ。ジャネットさんにあんな酷い事言っておきながら、なんで登校してきてんだよ」
「人の痛みっていうものがわからないのか?」
「晒しものにされるって、どんなに辛かっただろうな」
彼らが話している内容でわかる。
男子生徒の壁の向こう側には、ダミアンがいるのだと。
「みんな、なにしてるの!」
アマンダが彼らを咎める。
ダミアンを囲んでいた男性生徒は、アマンダの方に振り向いた。
彼らの顔を見て、アイザックは納得する。
全員、ウォリック侯爵家傘下の貴族の息子達だ。
ダミアンに制裁を加えてやろうと集まっていたのだろう。
「アマンダさん、おはようございます」
「ジャネットさんもおはよう」
彼らは、アマンダとジャネットの姿を見ても慌てない。
こうなるとわかっていたのだろう。
堂々としていた。
「ダミアンの一件はウォリック侯爵家が預かった。手出しは無用だよ」
「ええ、わかっていますとも」
言葉には出さずとも、彼らの態度が雄弁に語っている。
――自分達は、アマンダやジャネットが望む事を勝手にやっているだけ。
(派閥も大きくなると、こういう暴走する馬鹿が出てくるんだな。俺も気を付けないと)
彼らの姿を見て、アイザックは危機感を覚える。
自分のあずかり知らぬところで、いらぬ敵を作ってしまうかもしれない。
今のところは友人や部下に暴走しそうな者はいないが、今後は気を付けるべきだろう。
「わかってない!」
アマンダが怒鳴る。
声に含まれた怒気に、アイザックを含め、この場に居合わせた者達が震えあがった。
「ウェリントン子爵とフォスベリー子爵の間で合意が交わされるまで、ダミアンはジャネットの婚約者だよ。どんなに最低な男でもね。それに、ウォリック侯爵家が指示を出したと思われるのは迷惑だからやめてよね」
「しかし……」
「いいの! 全部終わってからどうするか決めるって話し合ったんだ。余計な事をされたら、こっちが困るの。ダミアンには手出し無用! いいね?」
「わかりました」
「先走ってすみませんでした」
「真摯に受け止めて、反省すべき点は反省し、再発防止に取り組みます」と、アイザックもつい言ってしまいそうだった。
それほどまでに、アマンダの言葉には有無を言わせぬ力があった。
普段は普通の元気な少女だっただけに、ギャップの差に驚かされる。
「その通りだ」
アイザックの背後から、聞き覚えのある声が聞こえた。
それはジェイソンの声だった。
アイザック達は後ろを振り向く。
「ダミアンに制裁を加えようとするなどやめるべきだ。くだらない」
ジェイソンの登場で、男子生徒達は固まってしまう。
アマンダに黙認されていれば違ったが、強く否定されてしまった。
さらにジェイソンにまで否定されてしまうと、これからもダミアンにちょっかいを出すのは危険が及ぶ。
「なんでダミアンが助けられるのか?」と、不思議でしかなかった。
ジェイソンはダミアンのもとへ歩いていく。
男子生徒は、大人しく道を開ける。
「ダミアン、好きな人に好きだと言う事は悪い事じゃない」
(お前、いきなり何言ってんの!?)
ジェイソンの言葉に、アイザックは呆気に取られる。
将来、ニコルに告白する時の予防線だとしても、アマンダやジャネットの前で言う事ではないからだ。
「だけど、君は間違ったやり方をした。あんなやり方をしたら、ニコルさんにも迷惑がかかると思わなかったのかい? ちゃんとジャネットさんに謝れ。許してもらえるまで、ニコルさんに近付くな」
「そんな!」
「これは命令だ」
抗議しようとするダミアンに、ジェイソンは「命令だ」と言い放つ。
ダミアンの言葉を受け入れる気など毛頭ない。
この命令を聞かなければ、本当にニコルから引き離すだろう。
そう思わせるだけの冷たさがあった。
「……わかったよ。ジャネット、すまなかった。人前で言う話じゃなかった」
「なんなのよ……」
渋々謝るダミアンに、アマンダが憤慨する。
今にも殴り掛からんばかりに顔を紅潮させていた。
だが、彼女が行動を起こす前にジャネットが動いた。
力一杯の平手打ちをお見舞いし、よろけたダミアンが床に膝を突く。
「そんな謝り方だったら……、されない方がマシだよ!」
ジャネットは校門の方へ走り去っていく。
「ジャネット!」
アマンダも彼女を追って走っていった。
残されたアイザックは、ポカンと口を開いて彼女らを見送る。
(えぇ、マジかよ。ジェイソン、ここまで馬鹿じゃなかっただろ。そこまで惚れてる段階に進んだのか?)
以前はニコルがいなければ、ジェイソンもまともだった。
しかし、今はニコルがいないところでもおかしな行動をしている。
アイザックにとって、それは好都合な事である。
だが「事態をかき回さないでくれ」と思うと、簡単には喜べなかった。
ただ「ダミアンに無茶振りするのはいいけど、とばっちりだけはやめてくれ」と願うばかりだった。
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アイザックの願いは儚いものとなった。
ジェイソンの一言が、意外と大きな影響を与えたからだ。
――ジェイソンが仲裁に入ったのに、ジャネットは謝罪を拒んだ。
どんな謝罪をしたかではない。
「ジェイソンが仲裁して、ジャネットが拒んだ」という話だけが独り歩きしていた。
この噂に困ったのは他の誰でもない。
――フォスベリー子爵である。
彼は事実をアイザックやウェリントン子爵経由で知らされた。
さすがにダミアンが、謝罪の一つもできない愚か者だとは思っていなかったようだ。
話を聞いて、三日ほど寝込んでしまった。
だが、これはダミアンだけのせいではなかった。
ジェイソンの責任割合の方が大きい。
ジェイソンが「好きな女に好きだと言うのは悪くない」と言ってしまった。
しかもジャネットではなく、ニコルを心配するような事を言っていた。
彼が一方的にダミアンに肩入れしたせいで――
「ジャネットの方にも、別れを切り出されても仕方ないような問題があったんじゃないか?」
――という見方をする者も現れてしまう。
おかげで、ウェリントン子爵は憤死しかねないほど怒り狂った。
当然、アマンダの要請で彼に肩入れしていたウォリック侯爵も、面子を潰されたと思って怒った。
彼らが怒れば怒るほど、謝罪のハードルが高くなっていく。
そうなると、困ってしまうのはフォスベリー子爵だった。
だが、ジェイソンの発言のせいで、ダミアンに厳しい処分ができなくなってしまう。
学院内の事とはいえ、王太子に「ダミアンは悪くない」という発言をされてしまったのだ。
親とはいえ「親子共々、命を以て償う」という手段が取れなくなった。
ジェイソンの意向を無視してそこまですれば、王家の面子に泥を塗ってしまう。
謝罪の手段を限定され、途方に暮れる事となった。
キャサリンもルシアに――
「あの時、ネイサン様の友達に選ばれなければ、もっとまともな子に育っていたかもしれないのに! エンフィールド公の友達にするつもりだったの。本当よ、嘘じゃない。助けて」
――と泣きついた。
アイザックの友人達は、レイモンドやポール達だけではなく、一緒にエルフの村に行った者達もいる。
彼らは品行方正であり、問題を起こしたりはしない。
アイザックの友人という事で、自分を律しているからだ。
もっとも、アイザックやゴメンズのような騒動を起こす方が珍しいので、普通に暮らしているだけで立派に見えているだけである。
ルシアがキャサリンから聞いた話では、ジェイソンに「好きだと言うのは悪くない」と言われてから、ダミアンは自分の行動に自信を持ったらしい。
「ニコルさんを妻にする。彼女を知れば、二人もジャネットよりも良いと認めてくれるはずだ」と言っているそうだ。
恋の大きな障害が、ダミアンのやる気を燃え上がらせたようだ。
これには今まで自重していたフォスベリー子爵も、思わず殴り飛ばしたとの事。
両親の奮闘虚しく、事態は悪化の一途を辿っていた。
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一ヶ月が過ぎる頃には、学院内は落ち着きを取り戻した。
ジャネットもダミアンをいないものとして扱い、学院内で揉めるような事はなかったからだ。
しかし、それは学院内の事。
社交界では険悪なムードが流れていた。
エリアスがジェイソンの行動をウェリントン子爵に謝罪したが、ウォリック侯爵家を中心に不満は残る。
その状況を利用し、ウォリック侯爵家を嫌っている家が裏で「王家への敬意を持っていない」と誹謗中傷を流す。
表立って徒党を組んだりはしていないため、誰を敵として潰せばいいのかわからない。
そのため、ウォリック侯爵家傘下の貴族の間で殺伐とした雰囲気となる。
最初はフォスベリー子爵家とウェリントン子爵家の問題だったのが、多くの家を巻き込んだものとなっていく。
当然ながら、フォスベリー子爵はどんどん憔悴していた。
ジャネットの婚約者探しが順調ならよかったのだが、こちらは不調に終わる。
婚約者候補として良物件の息子を持つ家が、フォスベリー子爵の紹介を断ったからだ。
フォスベリー子爵の紹介で婚約すれば、ウェリントン子爵家の風下に立つ事になる。
――「フォスベリー子爵に仲介してもらわねば、ジャネットとの婚約にこぎ着けなかっただろ?」と思われるせいだ。
そのため息子に自信がある者達は、フォスベリー子爵経由ではなく、直接ウェリントン子爵に売り込んだ。
当然ながら、彼らが自分から売り込んで決まってしまえば、フォスベリー子爵は何の役にも立たなかった事になる。
謝意を示す事もできず、ただ面子を失ってしまうだけだ。
これなら、最初にダミアンと一緒に命で償った方が名誉を保てただろう。
頼みの綱であるルシアは、事件から一週間後に領地に戻ってしまった。
さすがにフォスベリー子爵家のために、領地の運営をないがしろにするわけにはいかない。
アイザックに後を託して、ランドルフと共に去っていった。
一方、ウェリントン子爵は王都に残っていた。
彼は代官をしていたが、ウォリック侯爵の許可を得られたので、フォスベリー子爵の行動を近くで見張っていた。
――ルシアは領主代理のランドルフの妻。
――ウェリントン子爵は、一都市の代官。
立場の違いが、王都に長期滞在できるかどうかの差を作り出していた。
王都に残っているアイザックは苦悩するばかりだった。
この状況で、上手い解決策が思いつかない。
せめて、新しい婚約者候補が見つかれば、そこから話を広げていけたはずだ。
だが、ウェリントン子爵の態度が硬化しているため、ちょっとした有望株程度では許してくれないだろう。
「なんでダミアンのために、こんな苦労を……」と考えさせられていた。
ダミアンを恨む理由の一つに、アマンダの態度もある。
彼女はジェイソンへの怒りのため、日々笑顔がなくなっていた。
廊下でジェイソンを見かけると、鋭く睨みつけてしまうくらいだ。
教室ではいつも隣に座っているため、アイザックは精神にダイレクトアタックされている。
帰りのホームルームが終わった時、心の開放感をいつも感じていた。
この日も帰ろうとしていたが、教室を出たところでフレッドが待っていた。
「アイザック、頼みがある」
「なんだい?」
フレッドは、いつになく深刻な表情をしている。
彼の顔を見て、アイザックは「ダミアンの事だろうな」と察する。
――だが、違った。
フレッドはアイザックの肩をガッチリと掴む。
「アイザック、俺は……。俺はあの日の事が忘れられないんだ。今も思い出すだけで体が熱くなる」
「お、おい、フレッド。何を――」
「あの日だけの思い出だなんて耐えられないんだ。もう一回やらせてくれ!」
――教師も生徒も関係なく、ざわついていた廊下が一気に静かになった。
誰もがアイザックとフレッドの動向に注目している。
同じクラスの友人達だけでなく、通りがかったジェイソンやパメラは唖然とした表情で固まっていた。
一部、ティファニーのような耳年増は、頬を染めて二人の行く末を見守る。
アマンダだけが、何が起こっているのかわからず、周囲をキョロキョロとしていた。
「お前は何を言ってるんだ?」
アイザックは逃げ出そうとするが、鍛え抜かれたフレッドの腕は振りほどけなかった。
今までとは違うタイプの身の危険を感じる。
「カービー男爵の事だよ! あんなに強い人はいない。やっぱり、戦場を闘い抜いてきた男は強かった。俺が強くなるためにも、ああいう人ともっと戦いたい。でも、俺が申し込んでも『アイザックの許可なく模擬戦はできない』って断られるんだ。お前から戦ってもいいって言ってくれよ」
「あぁ、なんだ。そんな事か……」
アイザックは勘違いだとわかって、安堵の表情を見せる。
周囲にいた者達も「紛らわしい言い方しやがって」と興味を無くし、部活に向かったり帰宅しようとする。
廊下にざわめきが戻ったものの、フレッドの興奮は収まらなかった。
「そんな事って……、俺には大事な事なんだよ。頼むよ、カービー男爵と戦える機会をセッティングしてくれないか?」
どうしてもマットと戦いたいらしい。
負ければ悔しがるはずなのに、おかしな事だ。
(歴戦の傭兵で戦場帰りっていうのが、負けても仕方なかったと思わせているのかな? それにしても面倒な奴だ。もう一回セッティングして……。ん?)
ここでアイザックは、一つの可能性に気付いた。
(マットとセッティングする……。意外といいんじゃないか? 年齢以外は)
マットは現在三十手前。
だが、敵国の元帥を討ち取ったという実績があり、公爵家の騎士団長という立場は、子爵家の嫡男であるダミアンにだって負けないはず。
ニコルに攻略されるサブキャラだったので、年の差婚は問題ではないはずだ。
問題があるとすれば、ジャネットが「加齢臭のするオッサンは嫌だ」と言い出さないかという事くらいか。
「マットとのセッティングか……。そんなにやりたいなら、もう一回くらいはいいかな」
「本当か! やっぱり、お前は意外と良い奴だったんだな! どちらの屋敷でもいいし、特別顧問みたいな感じで部活に顔を出してくれてもいい。カービー男爵の都合に合わせるよ」
「あぁ、本人と話して決めるよ。また連絡する」
「ありがとな!」
フレッドは満面の笑みで去っていった。
残されたアイザックも、そう悪い気はしない。
(ヒントを与えてくれた分は報酬を支払うさ)
アイザックも「カイとかどうだろう?」と考えていた。
同世代の中では、アイザックの次に名を上げた者だ。
しかし、カイには婚約者がいる。
ジャネットがアマンダの親友という事を考えると、ルシアとメリンダのような関係になってしまう可能性が高い。
そのため、彼は選択肢から除外していた。
極端な話「クロードさんもエルフと人間の友好のために結婚してみない?」と話を持ち掛ける事だってできる。
(けど大事なのは本人の意思。まずは確認しないとな)
マットも私生活では頼りないところがある。
しっかりとした妻を必要としているので、お互いに悪い話ではない。
アイザックは、少しだけ見合い話を持ち掛けるオバサンの気持ちがわかってきたような気がしていた。
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