誤解

〈エミ視点〉










【 いいよ 】




カオル先輩に送ったLINEの返事を見て

胸に手を当ててから「はぁ…」と息をはきながら

発信ボタンを押した…




( ・・・聞いたかな… )





ダイキ先輩達と食事を終えてお店から出ようとしていると

「あっ!」と後ろから声がして振り返るとルナ先輩がいた…





ルナ「最近見ないと思ったらそうゆう事?笑」





ルナ先輩はダイキ先輩達を見てそう言うと

機嫌良さそうにトイレの方に歩いて行き

少しだけ胸の奥がソワソワとして

沙優ちゃんも「カオル先輩に言うのかな…」

と横で呟いていてまた9月の時みたいになるのは嫌で

ただ食事しただけだと話した方がいいのかなと思い

電話してもいいですかとLINEした…





繋がった電話の向こうからは賑やかな声が聞こえていて

飲み会中だったかなと思いながら「遅くにすみません」と言った





カオル「まだ22時だよ?笑 でっ…どーしたの??」




「・・・あの…今日…」




カオル「・・・・」





付き合ってもいないカオル先輩に

聞かれてもいない今日の事を説明するのも変な気がしてきて

「今日何してましたか?」と誤魔化すと

カオル先輩は「ん?」と笑い出した




後ろから聞こえる声を考えれば何をしていたかなんて

分かる事なのになんてバカな質問をしたんだろうと焦り

「今日のてっ…天気です!晴れてましたか?」

とまたバカな質問をしている自分に呆れた…





カオル「俺の地元の天気が知りたいの?笑」





「・・・すっ…すみません…」





カオル「今日は晴れてて…

  高校の部活の連中達と集まってるけど?笑」





「そーなんですね…すみません…」





カオル「相変わらず面白いね…笑

  それで?笑実ちゃんは今日何してたの?」





「今日は…沙優ちゃんと…その…」





「・・・うん…」






自然な流れだしこのままサラッと話してしまおうと思い

棚にあるカオル先輩から貰った香水のボトルを

手に取ってから「あの…」とダイキ先輩達に

バイトを急に辞め迷惑をかけた事を謝りに行っていたと話した





「・・・です…」





何も言わないカオル先輩に不安になりながら

ボトルを握っていると「ふふ…」と笑い声が聞こえだした





カオル「でっ、ルナに会って

  不安になって電話してきたわけね?笑」





やっぱりルナ先輩はカオル先輩に連絡していたんだと思い

少し唇を尖らせて顔を下げると「来週…デートしようか?」

とカオル先輩に言われ頬を緩ませながら「はい!笑」と答えた





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