〈エミ視点〉









私の誕生日ケーキを皆んなで話しながら食べていると

詩織ちゃんの彼氏から電話がかかってきて

長くなるのかなと思っていたら1分もしないで

戻ってきたから驚いていると…





シオリ「おやすみの電話だけだから!笑」




「おやすみの電話?」




シオリ「たまに電話で言ってきてくれるの」




ミカ「優しい彼氏だね!笑」




シオリ「いや…実はコレ私がお願いしたの…笑

  なんか好きな人の「おやすみ」って…

  聞くだけでも幸せな気持ちになれて…それだけで

  いい夢見れそうだな…みたいな?笑」






沙優ちゃんがいなくて重い足取りで

バイト先から帰っていたあの日

シュウ先輩にたまたま会ってカオル先輩の声を聞いたら

それだけで憂鬱な気分が吹き飛んでいた…





詩織ちゃんの言っていた意味が少し分かった気がして

カオル先輩の「おやすみ」が聞きたくなったから…





また落ち込む日があっても先輩の香りのする

ベッドでカオル先輩の「おやすみ」を思い出しながら

眠りについたらきっと幸せな夢を見れそうだから…





カオル「おやすみが欲しいですって初めて言われたよ…笑」





「・・・・カオル先輩のおやすみを…思い出したら…

  嫌な……夢みないかなって…思いまして…」





カオル「アハハハ……思いまして?笑」





笑い続けるカオル先輩に「忘れてください」と呟いて

自分の膝に顔を埋めて言わなきゃ良かったと思っていると

ヒョイっと体が持ち上げられベッドの上に降ろされた





カオル「俺のおやすみで笑実ちゃんを嫌な夢から守れるなら

  ちゃんと言ってあげなきゃね?笑」




「・・・・笑ってるじゃないですか…」




カオル「ん??反抗的な態度だね?笑」





カオル先輩は私の上に覆い被さると

「躾が足りないかな?」と言って少し荒く口付けてきて

いつもみたいに息継ぎを与えてくれないキスに

苦しくなっていくと唇を離された





カオル「可愛い嘘だし許そうかなって思ってたけど

  甘やかしちゃダメみたいだね…」




「・・・・えっ…」




カオル「笑実ちゃんの部屋のカーテンはベランダについてるの?笑」





カオル先輩は私がベランダに出て

先輩を見つけた事に気づいていたんだと分かり

少し唇をとんがらせた…





「・・・・知らないフリしてたんですね…」




カオル「その生意気な口も躾が必要だね?笑」





そう言ってまた苦しいキスを与えられ続け

カオル先輩の腕に抱きしめられながら

「おやすみ、笑実ちゃん」と囁かれた



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