帰り道

〈エミ視点〉







「・・・・・」






電車を降りて歩いているとポンッと肩を叩かれて

驚いて振り返るとシュウ先輩が「驚かせたか?」と

笑って立っていた






「シュウ先輩!!」





シュウ「あの飲み会以来だな?バイト帰りか?」





「はい!シュウ先輩は…」






時間は23時を過ぎていて

また女の子達と遊んでる途中かと思い

周りをチラッと見ると…





シュウ「カオルなら地元に帰ってていないぞ?笑」





「・・・・はい…」





シュウ「あッ…知ってるか?笑」






ニヤニヤと笑いながら言うシュウ先輩に

顔を俯かせ「イジワルな先輩達です」と言うと

「いや面白すぎてついな」

と口にグーの手を当てながら笑っている…






シュウ「沙優ちゃんも帰ってるんだろ」





「9月頭まで帰って来ないから寂しくて」





シュウ「あと1週間位だろうが?笑

  にしてもバイトこんなに遅いのか?」





「夏休みで帰ってる人が多くて2階のお店にも

  手伝いで入ってたりしてたから…今日は特別です」





シュウ「あー…あの店ね…」






私や沙優ちゃんのバイト先の上だし

もう2度とうちのお店で合コンする事はないだろうなと

思いながらシュウ先輩を見ていると

バツの悪そうな顔になって

「子供は早く帰れ!笑」と言われた





シュウ先輩と別れて歩いて帰りながら

沙優ちゃんもカオル先輩もいない1週間が長いなと

考えながら歩いていると「笑実ちゃん!」と

またシュウ先輩の声が聞こえ足を止めて振り返ると

先輩のスマホを耳に当てられ

聞こえてくる音楽に(あ…)と思った…






カオル「シュウ、悪いけど

  今地元の奴らと集まってるからまた後でかける」




 


聞こえてきたカオル先輩の声に

何も答えずにシュウ先輩の顔を見上げると

「ん?」と目を見開き「出なかったか?」と言って

私の耳からスマホを離し画面を見て

「なんだ繋がってんじゃん」と笑いながら

カオル先輩と話し出した







( ・・・・・・ )






シュウ「そっ!たまたま会って目の前にいるんだよ

  お前と沙優ちゃんいなくて寂しいって言うから

  かけてやったんだけど、カオル先輩は忙しいですか?笑」






シュウ先輩はカオル先輩と少し話すともう一度

耳にスマホを当ててきて「ほら!笑」と笑っているけど

カオル先輩相手に「もしもし」なんて言えず

また黙っていると「イタズラ電話なの?笑」

といつもの意地悪な声が聞こえてきて

「こんばんは…笑」と答えた


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