香水

〈エミ視点〉







歯磨きをすませ部屋の電気を消して

ベッドに入ろうとしながら「あっ!」とある物を

思い出して部屋の電気をもう一度つけて

棚に飾ってある香水を手に取り

ベッドの上の方に向けてワンプッシュだけ押した





「・・・・・・」





この香水はカオル先輩からの

誕生日プレゼントで貰った物だった…






「・・・・いい匂いがします…」





カオル「笑実ちゃんは俺のマニアだよね?笑」






カオル先輩に抱きしめられながら

いつもと違う香水の香りに気づきそう言うと

マニアだねと言われて「えっ?」と驚いていると

「まち歌の曲…良い曲だよね?」と耳元で囁かれた






「・・・勝手に使って…すみません…」





カオル「ふっ…俺の曲じゃないから!笑」






カオル先輩が好きだと言っていた曲を勝手に

まち歌に設定していて気持ち悪く思わなかったかなと

不安になってギュッと掴んでいた

先輩の洋服を手から離すと

「ちゃんと握ってないと危ないよ?」と言われた…






カオル「あの曲気に入った?笑」




「・・・・・・」




カオル「本当はあんまり好きじゃないでしょ?笑」





「・・・・歌詞が……卑猥ですよ…」





カオル「それなのにまち歌にしてんの?笑」






カオル先輩が好きだと言っていた音楽は

海外アーティストの音楽で歌詞の意味を調べたら

少し…だいぶイヤラしい内容だった…






カオル「ホントに変な子だよね…笑」





「・・・・・・」





カオル「でも…変でマニアな笑実ちゃんなら喜ぶかもね?」






「え?」と言うと抱きしめていた身体を少し離され

顔を覗きこんでくるカオル先輩は優しい笑顔をしていて

「帰ってからのお楽しみかな?」と言われた…





もう一度電気を消してからベッドの中に入ると

あの日のカオル先輩と同じ匂いがしていて

目を閉じるとあの甘くて幸せな時間を思い出せる






カオル「10月13日は何くれるの?」





「・・・・何が良いですか?」





カオル「笑実ちゃん…」





「・・・・・・」





カオル「ふふっ…笑実ちゃんが自分で考えてよ」






カオル先輩は私の洋服のリボンを触りながらそう囁くと

「ちゃんと考えて…」と優しくキスをしてきた…






( ・・・・そうゆう意味なんだよね… )






約2ヶ月後のカオル先輩の誕生日を考えると

中々の眠れなくて、ずっと寝返りを繰り返していた…


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