〈ヒョウ視点〉








ヒョウ「笑実ちゃんは大人っぽくなりたいの?」





笑実ちゃんがさっきから手に取る浴衣は

黒だったり色っぽい赤だったりで

普段のイメージとは全然違った…






「・・・・きっ…キレイな…感じになりたいです…」





ヒョウ「・・・キレイ?笑実ちゃんが??」






笑実ちゃんに“キレイ”だなんて言葉を連想した事はなく

違和感しかないから笑実ちゃんの顔をジーっと見た…




( ・・・・キレイ?? )





笑実ちゃんの顔はヨクヨク見たら可愛いとは思うけど

化粧も薄くまさに田舎の素朴な感じで

キレイや妖艶とは無縁だ…





ヒョウ「・・・・でも…」





鼻は小さくスッとしていて…

目もそんなにデカくはないけど

クリクリとしていて…

まさに小型犬みたいな目だなと思った…





( ・・・・メイク上手い子もいるしな… )





最近のメイクは整形と言ってもいいほど

可愛く変身したりする子もいるし

この子犬達がバシッとメイクしたらどうなるんだと考えた…






( 小型犬が…キレイに… )






イメージが湧かなかった俺は浴衣を置いて

「ついておいで」と言い

子犬二人を化粧品売り場へと連れて行き

売り場にいたキレイなBAのお姉さんに

「お姉さんみたいに綺麗に出来ますか?」と言って

二人を引き渡し30分後に迎えにいくと…






ヒョウ「・・・・いや……驚いた…」





BA「女子大生のメイクとは少し違いますけど

  お客さま二人とも雰囲気には合うかと?」






お姉さんの言う通りチャイボーグや

オルチャンメイクの様な感じではないけど

何となく二人には合った…





ヒョウ「アレだね!うちの大学にはいない感じだ!笑」





どっちかというと新人アナウンサー系みたいな

爽やかでナチュラルな感じでいいじゃんと思った






サユ「凄い!別人みたい」





「お姉さん、本当に魔法使いみたいです!笑」






鏡の中の自分達を見てキャッキャッはしゃぐ二人を見て

田舎から来たツアー客みたいだなと思いながら

「じゃー肝心な浴衣みようか」と言い

浴衣売り場へと戻り今の魔法のかかった子犬二匹に

似合う浴衣を選んであげた





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