お土産

〈エミ視点〉







沙優ちゃんとオーブンレンジにパンを入れて

焼き上がるのを待っているとインターフォンが鳴った






サユ「宅配とかかな?」






沙優ちゃんが「はい」と通話にして話すと

宅配業者の人で一階のオートロックを解除して



 



サユ「お母さんが色々送ったって言ってたから

  また来週一緒にご飯作って食べよう?」





「うん、冬とかには皆んなの地元のお鍋とかしたいね?笑」






「いいね!」と話しているとドアの呼び鈴が鳴り

沙優ちゃんが「待っててね」と玄関へと歩いて行き

ガチャッとドアが開く音と同時にガヤガヤと数人の声が

聞こえてきてビックリしながら覗くと…






ヒョウ「あーこの匂いだよ!笑」





サユ「エッ??なんです?」





ヒカル「おっ!丁度焼いてる最中じゃん!」






( ・・・・えっ… )






玄関から順番に部屋に上がってくる先輩達に

唖然として見ているとシュウ先輩が沙優ちゃんに

「直ぐ帰るから」と謝っている…




シュウ先輩の後ろから呆れた顔のコウ先輩が

入ってきて、その後に…カオル先輩も入ってきた…






カオル「はい!笑実ちゃんにお土産ね?笑」






差し出されたのは豆乳ジュースで

ヒカル先輩達がすっごく馬鹿にした顔で笑って見ているから

素直に受け取れずに「意地悪な先輩達です…」と

小さく呟くとカオル先輩も吹き出して笑い出し

コウ先輩がまたこの前の事を話したんだと分かった…







コウ「悪い!笑 だけど先輩達は笑実ちゃんの為を思って

  こうして届けに来てやってるんだからな?笑」





「・・・・・・」






ヒョウ「てかさ、定期的にカオルに相手されてたら

  勝手に大きくなっていくから大丈夫だよ?笑」






「勝手に??」







何で勝手に大きくなるんだろうと思い

ヒョウ先輩を見上げるとヒカル先輩達が

「間違いない!」とゲラゲラと笑い出したから

またエッチな事なんだと分かりムッとすると

ピタッと頬に紙パックジュースを当てられて

「バカは相手しなくていいの」と

言いながらカオル先輩も笑っていた





私は頬っぺたに当てられている

豆乳ジュースを手に取り少し眺めてから

カオル先輩に「ありがとうございます」と伝えた…





理由が…揶揄っている内容だとしても

ここに来るまでに私の事をちょっとでも

考えてくれた事が嬉しかったから…






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