第54話 捜査パート

――では、これより本シナリオのメイン部分……捜査パートに入りますね。


A「おや。いつもと違う雰囲気」

B「ほうほう」


――捜査パートの行動は、以下の手順です。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


●全体の流れ

・第一探索フェイズ

・第一会議フェイズ

・第二探索フェイズ

・第二会議フェイズ

・第三探索フェイズ

・第三会議フェイズ

・最終推理


●探索フェイズについて

1F:事務室、キッチン

2F:杉上サキコ、山城ササオ、古海ケンノスケ、PL1、PL2の客室、オーナー夫婦の寝室

屋外:殺人現場およびその周辺

 ……以上の探索箇所を、3つまで選んで探索する。


※この際、得られた情報はなるべく心に留めておき、プレイヤー間の情報共有は行わないで下さい。

※今回、探索する時間は限られています。一人につき一箇所以上を調べることはできないでしょう。


●会議フェイズについて

 談話室へ戻り、プレイヤー同士の情報共有、およびNPCへの尋問を行う。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――




A「情報量が……。情報量がとても多い!」


――ルールはその都度、私が指示するのでそれほど難しく考えなくて大丈夫です。


B「単純単純。探索フェイズで情報を集めて、会議フェイズで共有するだけ」


――そうですね。

 ちなみに捜査は、山城ササオも加わって行います。


A「まあこのルールだと、頭数が多い方がいいですし」

B「……これ、メタ的な質問かもなんですけど、ササオは証拠隠滅したりせんのですか?」


――さて。それはどうでしょう。


A「あっ。こいつ……」

B「……やる気やな」


――(なんか、リアルな読心術で見破られた)


A「どーします?」

B「下手に足をひっぱられるくらいなら……いっそ……」


――とは、いえ。

 彼、事件を解決する気は満々のようです。

 少なくともあなたたちにはそう見えています。


A「自分にとって都合の悪い情報だけ隠蔽するつもり、ってことかな」

B「とにかく、要注意やね」


――では、第一探索フェイズを開始してください。


あくむ(A)「さあて。……ちょっぴり怖いけど、やっていきましょうか」

べに(B)「私は、あくむちゃんと一緒なら、いつでも何してても、ずーっと楽しいよ!」

あくむ「はいはい」

べに「それじゃーさっそく、捜査開始~~~~~~~~~♪」




(さて。

 ここで、円筆あくむの秘匿ハンドアウトを公開する)

(彼女が隠している秘密は、以下の内容だ)




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


●PL1(円筆あくむ):「偽りの愛」

 流れで付き合うことになっているが、あなたにとってPL2(色式べに)は性愛の対象ではない。

 実はあなたは、PL2とは違う性別(男)を愛しており、その性癖だけはどうしても変えることができないのだ。


 とはいえPL2の性格は好きだし、尊敬もしている。

 問題はあくまで、PL2の肉体のかたちだけなのだ。

 そこであなたは一計を案じる。

 あなたは、”別人になれる“と噂される美郷荘へやってきて、PL2を”自分にとって都合の良い性別”に変化させようとしていた。


 しかし、そのことを本人に知らせるのは早すぎる。“肉体交換”の情報そのものがガセネタであるかもしれないし、噂が本当だとしても、結果としてPL2を傷つけてしまう可能性もあるためだ。


⇒あなたが幸福なエンディングを迎えるためのヒント

・美郷荘の謎を解き明かす。

・噂の真偽を確かめ、もしそれが事実ならPL2を説得し、“肉体交換”を持ちかける。


※もし“肉体交換”が不可能なら、二人の関係はやがて消極的な破局を迎えるだろう。

※あなたは自分の持ち物に”百万円”を加える。これは肉体交換のために必要とされる費用だ。一応、先方にはすでに、匿名サイトを通じて連絡済みである。

※PL1は、恐るべき秘術の実在を確信している。あなたは《雑学》:クトゥルフ神話”のスキルを習得する。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――




A「…………………」

B「…………………」

A「……………ええっと、Bちゃん?」

B「なっ、なに?」

A「なーんか今回、口数少なくありません? ……ちょっぴり、らしくないなー? なにか隠しごとがあるんじゃないですか?」

B「んー? 気のせいやないー? ……そっちこそ、どぉなん?」

A「……べつに、なにもー?」

B「…………………」

A「…………………」


――(隠しごとがあるのは、お互い様なんだけどね)


B「とりあえず、どこから探索はじめよっか?」

A「そりゃもう、殺人が行われた場所が最優先!」

B「せやね。賛成」


――ではあなたたちは雪がちらつく中、外に出るでしょう。

 ”美郷荘~倉庫間”は、雪の中を急ぎ足で進んで十数分ほどの距離でした。

 ここで調べられるのは、以下の三箇所です。




・現場へと続く足跡 ”知力”判定

・死体 ”知力”判定

・倉庫内 ”五感”判定




B「うちは、”足跡”一択やね。……これ、《追跡》を使っても?」


――良い提案です。

 ちなみに今回、難易度は全て一括して”すごく難しい”。

 出目の合計が17以上で成功とします。


A「うわっ。厳しくない?」

B「結構辛いね」


――ではBちゃんは、難易度を”難しい”(14以上で成功)に変更してダイスを振って下さい。


あくむ「じゃ、わたくしは”倉庫内”を調べますわ」

べに「それなら私、”現場へ続く足跡”を、調べる」

ササオ(GM)「……では俺は、……”死体”か」

あくむ「プロなんでしょ? よろしくお願いします」

ササオ「……別に、人死にに慣れてる訳じゃないんだがな……」


――ダイスロールどうぞ。


B「……【ダイスロール:3(+11)】……あぶな! ギリギリ成功」

A「幸先がいいですねえ。【ダイスロール:4(+11)】 ……って、こっちは失敗だあ!」

B「ダイス目が荒ぶっておられる……」


――では、情報をLINEで共有します。




※円筆あくむの情報:倉庫内

 倉庫内には、アウトドアに必要な各種道具類に加えて、予備の消耗品、消火器、シャベル、ハンマーなどが雑多に置かれている。

 なお、室内に誰かが潜めるようなスペースはない。外部犯が隠れている可能性はなさそうだ。




A「おや? このシナリオ、判定失敗しても情報が得られるのですか?」


――はい。

 このシナリオは構造上、一切情報を出さないと詰みが発生します。なので今回は、”成功情報”と”失敗情報”が存在します。


A「なるほど……了解しました」

B「とりあえずここは、情報をどんどん集めてこ」

A「はい。どうせこの時点では、情報共有できませんし」

B「ところで、ササオはんの情報は?」


――それは、この場で共有することにしましょうか。


ササオ「うーん。『頭部にぽっかりと穴が開いている。それ以外に外傷はない』な。わかってるのはそれだけだ」


――とのことです。


A「それだけ?」

B「さっき聞いたやつ」

A「既出情報……」

B「信じられへん。こいつ、お助けキャラっぽいのに失敗しとるで」

A「あまりにも無能すぎる」

B「辞めたらその仕事?」


――(NPCにきびしい)


【To Be Continued】

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