第234話・ボクをおんぶしてる女子高生が通行人に褒められた
女子高生にボクのような大人な男がおんぶしてもらってるだけでも街の景色的には異様かもしれないのに、さらに、その周囲を3人の女子高生が取り囲んで歩いているのだから、街ゆく人たちの注目を浴びるのは当然の成り行きなのだろう。
駅前広場に近づいて、歩道が広くなったところで、にこにこ笑顔で近づいてきた
おばあちゃんに話しかけられた。
「あらあら、若いお嬢ちゃんたち元気なことで。男をおんぶしてあげてるなんて、これからの女の子は頼もしいわねぇ。これからの女性はそのくらい強くないとね」
「ハイ、ありがとうございます」と、キヨコはボクをおんぶしたまま、にこやかに
答ながら、ややズリオチ気味だったボクの身体を腰使ってポンと跳ね上げてくれた。その動作を見たおばあちゃんは
「あら、立派なもんだわ、最近の若い女の子は。ところで、こんなかわいい女の子のおんぶに乘ってるあなたは、お怪我でもされたんですか?」とボクに視線を。
「いえ怪我とかではなくて、ボク、かわいい女の子におんぶしてもらうの好きなんで、おんぶしてって頼んだんです。彼女たちナマ足で寒そうだったから、ボクをおんぶして歩けば身体暖まるよって」
「怪我してるわけでもないのに、おんぶしてって頼まれたら、おんぶしてあげるって、なんと素晴らしい立派なお嬢ちゃんたちなんでしょう、偉いわ」
「はい」と答えるキヨコは、立ち話につきあわされて、体力限界を感じているような身体のよじり方。特にバテてるのが、両腕のようだった。乗り心地のよいおんぶには、女の子の両腕がしっかりと、乘ってる男の両足をホールドし続けることが大切になってくる。
ビジュアル的にも、女の子の細腕が男の太い足を支えている絵には、上から眺めていても、いつも萌えさせてらえている。自分の両足のつま先が空中に浮いてる絵は、自分の全体重が女の子の上に乘ってることを目で確認できる証拠でもあり、こういうことを目でじっくり確認するの、ボクは好きでたまらない。で、いま乘ってるキヨコのように背の高い女の子だと、自分の宙ぶらりんとした足先の位置が高いところで
ブランブランしてるのが、特上席感あってうれしいというかお得感というか。
しかし女の子の細腕がバテてしまうと、おんぶが終了になってしまうので、女の子の細腕を少しでも休ませれるようにするために、ボクは両足を女の子の腰のクビレに乗せて両足でギュッと女の子の身体を挟むように力を入れる。
おばあちゃんは相変わらず、我々に向かって喋っていたが、キヨコはもうすぐにでもおんぶを終わりにしたいようで、上半身を前傾させて俯きかげんで相づちを打っていた。上半身を前傾させたおんぶでは、ボクとしては乗り心地がよくないので、
キヨコの腰のクビレを挟んでる両足にさらに力を入れるしかない。
するとキヨコが
「足でギューッとされると腰とお腹が痛いんです」
「ごめん。じゃあ足の力抜くから、両手でしっかりボクの足を支えてくれる?」
「ハイ」
しかし、キヨコのバテてる今の腕ではボクの足の重みを支えられず、ボクの身体全体がズリオチしそうになったので、ボクはクビレでズリオチを止めた。
「あっやっぱりそれ痛いですぅぅぅ」
「あっごめん、力入れちゃった」
「いえ、痛いのは我慢します、すみません・・・」
「痛いのはまずいから降りるよ」
「すみません・・」
体力限界までおんぶしてくれた女子高生が、おんぶ上で能天気してたボクに、
すみません・、って謝ってくれてる。。逆のような気がするのだが、まあいいっか。
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