01-01-05 五帝 堯

ぎょう」。


 姓は伊祁いきもしくはえつ、名は放勛ほうくんこくの子。

 仁は天、知は神のごとし、日のごとく臣下を照らし、雲のごとく天下を包む。「平陽へいよう」に都を置き、五十年の治世において人々は、堯王の治世下にあることをまるで意識していなかった。

 堯王が粗末な服を着て町を歩けば誰も堯王には気付かず、しかし「王のお陰で幸せに暮らしている」とは歌っていた。またある老人などは「わしらは満ち足りている、どうしてそこに帝の力が関わるか」と腹を叩きながら歌った。


華山かざん」に出向いたとき、華山の住人に長寿と富と子宝を祈願されそうになったが辞退した。長生きすれば恥が多く、富を手に入れ、子だくさんになればトラブルが多くなるから、と。華山の人は「子に仕事を与え、富は分配すれば良い」と答えた。更に言う。「天下が正しき道に則っておれば天下と共に栄えられようし、天下の道理がなくなるのであれば隠棲し仙人となれば良いではないか」と。


 即位して七十年たった頃、洪水が多くなった。「こん」に治水を任じたが、九年経っても成果が出なかった。

 王の務めに疲れ果てた堯は「四岳しがく」より「しゅん」の推挙を受けた。堯は息子の「丹朱たんしゅ」が駄目息子であったことから、舜に王位を譲ることを天に報告、死亡した。

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