第517話 理想家

私は甘ったれの理想家だ。


それは私が日本人だからでもある。


本当の世界情勢を考える事はあるが、


現実とは天地の差があるほど、間違いだらけだ。


全ても分からず、更には知り得ることも出来ない


この世で、信じられるものはなんだ?


私は極々希に、この世に愛が無いことを知ってしまった。


しかし、私を救ってくれた人は、


大きく分けたら、それは愛である。


優しき心や、人を気遣う心、見捨てる事の出来ない愛的な


ものがあったからこそ、私は助けられた。


私を助けてくれた人や、カウンセラーさんにも、


色々な質問をされる。物事は何事も単純なものであるが、


複雑にするのは人間であって、自分または相手が複雑にして


いるだけであって、完全な個室に閉じ込めれば、簡単な問題だ。


しかし、それは不可能に近い事も、当然であるから、


その真理に気づくことが難しくなる。


数年前程度、誰もが賢いと認めている人がいた。


私はその人と話して欲しいと頼まれた。


会話をし始めて、ほんの2、3分で賢いのではなく、


ただの知識に長けた人だと分かった。


年配の人であったが、自分のほうがあれもこれも考えていた。


ただ資金が無くて、出来なかっただけであって、考えたのは


私のほうが先だと言っていた。


問題は3,40点の結果では無い。


本物は外部も内部もしっかりと創り上げることだ。


外観だけのハリボテなら考えつく人は多数いるだろう。


しかし、それは本物ではない。本物は内部まで精密に作り


あげることを非常に重要視している。


それは思いやりにも似ているほど、心を込めて作る。


詐欺に引っ掛かるのは、知識が足りない為だ。


知識が無いからテレビなどでは知っていても、


焦りの方が勝り、騙されることになる。


急な展開で脳の稼働率は、一気に低下し、そこに追い打ちを


掛ける事によって騙す。


まあ、日本での世に出ている犯罪はたかが知れている。


それだけ平和だという裏付けになる。


そこで私は私に問う。


こんなにぬるま湯な日本にいるから、理想家なのか?


それとも根本的に理想家なのか?


自分の人生が今の私を作り出したのか?


たまに考える程度がほどよく自分を刺激する。


考えすぎると出口の無い迷路に迷い込んでしまう。


だから私は、ここや、私にとっての『救世主』にしか


話さない。


私を良く知ってもらっている人だけに、理想や想いを話す。







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