第472話 イコライザー2 2教育の仕方

ロバートは妻の死、以後独身でいた。そして妻が100冊の本を読んでいた事を、


まるで彼女の意志を受け継ぐように、彼は読み始めた。


そして、最後の100冊目を購入した。


どこか寂しげな彼としても最後の本だからか、最後の本は分厚かった。


妻としても最後の本は、その本にすると決めていたようだ。


彼は自分の住むアパートの住人の一人である、18歳くらいの青年に声をかけられた。ロバートが壁の落書きを消そうとしていた。


「オーナーにやらせろよ。するはずだ」とロバートに言ってきた。

ロバートは「はずだと、するは別だ」と一声だけ返した。


「そして業者に頼めばいい」と彼が言うと、

「業者に頼んだら700ドルくらいする」と答えた。


彼は「自分なら350ドルでする」と言った。「美術学校にも通ってる」

ロバートは彼のノートブックを見た。殴り書きのような書き方であったが、

才能は一目で分かるほどあった。彼のやる気次第で大きく変わるほどに。

「学校は行ってるのか?」と聞くと「役に立たないから行ってない」と答えた。


次の日、ロバートが作業をしていると、彼が話しかけてきた。

「適正価格を考えてみたんだ。250ドルでならどう?」と彼は言った。


ロバートは軽く頷きながら、「学校に行って放課後にするのが条件だ」と言った。

彼は苦い顏をしながら「分かった」と答えた。


ある日、ギャングの車に乗り込む姿を窓から見た。車のナンバーを覚えて、


途中までしか進んでいない壁を目にしたロバートは、ギャングのアジトである

アパートに両手を上げて入って行った。


若いギャングが一人いて、銃を抜いた。エレベーターには故障中と書いてあり、


男も「故障中だ」と言いながらロバートに近寄った。正面から首に手をあてがう

ようにして、先制し、その後一発顏を殴り倒した。ギャングの銃を手にして、エレベーターに乗り込んで上の階へ向かった。


エレベーターのボタンの場所に身を隠して、近づいてきた見張りに対して、

ロバートはそのまま相手の顏に手を当て壁に後頭部をぶつけて倒し、二人目の男も

数発で倒した。


彼は五秒程度、聞き耳を立てて何人いるのか判断し、もう一丁の銃を奪うと声のする部屋に向かった。


中ではあの青年にギャングたちは、今夜殺すように回りから言われていた。

彼は中で5,6人の男に脅されていて、断れる状況では無かった。


ロバートはドアを蹴破り、銃をつきつけて「座れ」と命じた。そして

「行くぞ、マイルズ。来い」と二度言った。銃をギャングの頭に近づけながら

三度目は強く言った。


マイルズは立ち上がりロバートに続いた。

「手を離せよ! 正気か?」とマイルズは言い、


ロバートは「お前こそ。これがお前の望みか? 絵を描くんじゃないのか?」

マイルズは「絵か?」と言い、ロバートは「そうだ」と言い返した。

「マジで? 絵でどうなる? それで食ってけると思うか?」とマイルズは言った。


「家賃の支払いができると? 無理さ」と諦め顔で言った。


ロバートは「ギャングになりたいか? 人殺しに? それで男になった気分か? なら、なるがいい。今すぐな。ほら、私から始めろ」と言って銃を渡そうとした。


「さあ、取れ。どうした? 人殺し。持てよ。使い方は分かるな? さあ、人殺し。ここだ」と言って彼に眉間に銃を衝きつけさせた。「いいぞ。ほら撃てよ。2キロの力だ。2キロの力を加えるだけでいい。たったの2キロだけだ」


マイルズは撃てず銃を持て余した。

ロバートは「撃たないなら貸せ。さあ、何もしない」と言った。


そしてロバートは心から言った「あいつらはウソつきだ。実は私もだよ」そして彼の頬に銃をつきつけて、

「いいか? こうなるんだ。ウソつき相手だとな、フカしたんだよ」


「今何が見えてる? 早く答えろ! 何が見える? 言えよ! 人殺し! 分からんか?」ロバートは自分自身に言うように責め立てた。


マイルズは「ああ。分からない」と言った。

「男はGUMと書かない」そう言いながら銃を下げて


「お前は選べる。お前は才能がある。環境だとか人種差別を言い訳にするな。チャンスはあるんだ、生きてる間に使え。お前は死を知らない!死がどんなものかを!!」


ロバートは怒鳴りつけた。そして「決めろ」と言うとマイルズは「分かった」と言い、「マッコールさん、何故俺なんだ?」と尋ねた。

「いけないか?」


マイルズは愛に近いものを感じていた。

「でも何で俺なんだ?」とロバートに尋ねた。彼は「それを探そう」と言った。


そしてロバートは家でスープを作っていたら、ノックしてきた。

彼は覗き見した。そこにはマイルズが立っていた。


ロバートは嬉しそうに銃を棚にしまいながら、「どなた?」と言った。

マイルズが「マッコールさん」と言い「誰だ?」

「マイルズだよ」と言った。


彼は壁の落書きを消し終わったと言った。「ああ、見た」と言い、

マイルズは「塗料代の釣りだ」と言って彼に手渡した。


ロバート「これで全部?」と聞き「そうだ」と彼は答えた。

マイルズには父親はおらず、兄はボクサーだったが強盗に襲われ殺されていた。

母と二人暮らしの中で、ロバートに特別な感情を抱いていた。


「飲み物ある?」と聞いてきたマイルズを、「あるが」と言っただけで立っていた。

普通ならここで、招き入れる所だが、ロバートは黙ったままでいた。

そしてロバートは「飲みたいか?」と言った。


彼は「ああ」と言い、「入れ」と彼は言った。


彼がスープを作っている途中で、自分の母親も良く作ると言い、鍋のフタに手をかけようとした。ロバートはその手をぶって言った。


「私はお袋じゃない。鍋は私のだ。ここも私の家だ。分かったか? いいな?」

彼に対して、ロバートは過剰に厳しくした。そして彼はそれを乗り越えてまで、ロバートに親しみを感じていた。


彼は部屋の壁を見て、「塗り直しが……」と言うと「必要だ」と男は答えた。

「やってもいい」と彼は言った。「お前が?」と言うと「ああ」と答えた。


「いくら?」とロバートに聞かれ、彼は「それ、一皿で……」と冗談を言い、

初めてロバートは笑顔のまま笑った。

「ジョークさ。マジな話、115ドルでどう?」

ロバートは「よし、頼もう」と言って別室へ向かった。


そして彼は本を手に戻ってきて、「115ドル? やる、タダだ」と言って、本を手渡した。そして「読め。読めるか?」とロバートは言った。

「世界と僕のあいだに」と彼はタイトルを読み上げた。


ロバートは言った「読むのが条件だ」


私は個人的な意見ではあるが、非常に愛情を感じた。そしてロバートは一から彼を教育し直そうとした。彼はロバートに対して、非常に大切な感情を抱いていた。


アクション映画では、愛情や友情的な要素もよく入っている。

入っているがメインはアクションな為、その情的なものをどう組み込むかで、

後味が変わって来る。


字も読めない人は世界に沢山いる。世界と日本を非例したら日本はおかしい国だ。

自国の言葉しか話せない国は、もう日本くらいしかないのではないだろうか。


私は愛情に飢えてはいないが、女性との間の愛は分かるが、親目線からの愛情は知らない。私の書き残されたメモに書いてあった。


「いつか自分を探す旅に出よう」と書かれていた。もう昔に書いた事だが、今もそうだと実感した。

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