第383話 ウィリアム・シェイクスピア

“楽しんでやる苦労は、苦痛を癒すものだ”



これは実に意味深な言葉だ。言葉の通りである。しかしこの言葉を理解するには、それなりに意味のある人生を送っていないと、難しいだろう。


楽しんでやる苦労は、充実した時間を過ごす。そして楽しんでやっている以上


苦労を感じにくくする。それは無意識に感じるものであり、楽しいから苦労を軽減させる。そしてシェイクスピアが言うには、楽しんでやる苦労は、苦労を伴いつつも楽しいという事になる。


そう考えると確かに、苦痛を癒すもの、つまりは何かしら身につくものや、苦労しても楽しめる何かだという事になる。


自分の趣味や、何かに気づき、新たに前に進めた場合等が、前文に該当する。


そして後文は、説明するまでも無いほど分かりやすい。


この言葉は前文を如何に理解できるかが決め手になる。


しかし、実に充実した苦労をシェイクスピア自身が経験した事が分かる。


経験しないと分からないものであり、私も今文章を理解しているが、


私はあくまでも言葉を理解しているだけに過ぎず、


真に理解するには経験するしか道は無い。過去を振り返れば言葉に適した事は


あったかもしれないが、この言葉を知る前に起きた事は、強い意味を持たない。


言葉を知り、そしてそのような状況になり、初めてその言葉を理解する。

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