第400話 【変化した迷宮街・2】


 あの後、クロエ達は訓練をしていた服のままは出掛けられないと言い、20分程待ってから家を出た。

 家を出て商店街に行くまでの道、何気なくこの数日は迷宮まで通っていたが所々変化していた。

 特に変わっていたのは、家の数と種類が増えていた。


「前よりも家の数が増えているな」


「そうだね。やっぱり、前回で人が多いって分かったから増やしたのかな?」


「でも一番豪華なのは私達が住んでる所だね~」


 家の種類や数が増えているが、一番良い家は俺達が住んでる家だけだった。

 別に同じ家がもう一つあっても良いとは思うが……今の方が特別感もあるし、増えないなら増えない方が嬉しいな。

 その後も俺達は歩いて商店街へと向かい、俺は久しぶりに商店街に来たが以前から比べてかなり人が増えていた。


「こんなに人が増えていたのか……」


 人の多さに驚いていると、視線の先に見知った顔の人が居た。


「ルークさん、こんな所で会うなんて珍しいですね」


「ジン、それにクロエちゃんとレイちゃんも久しぶり」


「お久しぶりです。ルークさん」


「ルークさん、今日は一人なんですか?」


 そうレイが聞くと、ルークさんは「あ~、いや最初は皆と一緒だったよ」と言い難そうな感じでそう言った。


「ほら、ジン達もここに居るって事は〝遊戯施設〟を見に来たんだろ? 俺達もそうだったんだけど、皆は普通に少し見たら買い物して帰ったんだけど、俺は少しハマっちゃっておいていかれたんだ……」


 ルークさんはそう言うと乾いた笑みを浮かべ、そんなルークさんを俺達は呆れた目で見つめた。


「まあ、でも外の遊戯施設で負けるよりはまだ良かったんじゃないですか? ここだと、お金じゃなくて専用のコインなんですよね?」


「うん。そこだけがギリギリ耐えられたよ。ただこの数日の稼ぎは全部使っちゃったから、明日からまた頑張らないとだ……それじゃ、そろそろ行くよ。ジン達も軽く遊ぶ分は良いけどハマらないよに気を付けるんだよ」


 そう言い残してルークさんは去っていき、そんな先輩の言葉を胸に俺達は遊戯施設へと向かった。

 ルークさんと別れて数分後、俺達は〝遊戯施設〟へと到着した。

 遊戯場となる建物が多く立ち並んでいて、その通りにはいくつか換金所が配置されていた。

 その換金所では迷宮で取れた装備や素材等を遊戯施設で使えるコインへと変える事が出来た。


「このカード便利だね」


「神様の気遣いだろうな、コインを持ち歩いてたら面倒だろうからカードで確認できるようにしたんだろう。まあ、交換物だったけどな」


 換金所でコインを交換してる際、数百枚支払えばコインを入れる専用のカードと交換できるとその換金所の人に言われた。

 何度も来るか分からないが便利そうだと思った俺達は、取り合えず4人分そのカードを購入して、均等にコインを分けた。

 一応、レンが来るかどうか分からないけど俺達だけ楽しむのもレンに悪いから、夕食の席で渡そうと俺は【異空間ボックス】にカードを入れた。


「さてと、まずは何をしようか?」


「ねえねえ、ジン君、クロエちゃん。あれやってみない?」


 そうレイに提案されたのは、こういう場所で定番のルーレットだった。

 完全に運任せの物で最初に挑戦するのがこれって、レイも大分変ってるな、そう思っていたのだがレイが興味を示したその遊び方じゃなかった。

 ここのルーレットは変わっていて、用意された魔物を倒すと確率が上がるという内容だった。


「用意された魔物って事は、ここでしか戦えない魔物かも知れないでしょ? 戦ってみたい!」


「……レイが珍しく遊びに興味を示したと思ったけど、結局は戦いだったか」


「レイちゃんらしいね」


 レイの言葉を聞いた俺は呆れた顔でレイを見て、クロエは笑いながらレイノ提案したルーレット場へと入る事にした。

 建物内は外から見るよりも広く作られていて、ここも神様が色々と手をつくしたのだろうと思いながら奥へと進んだ。

 そして俺達は受付で、ルーレットの確率を上げる魔物と戦う方法を聞くと、その専用の部屋があると教えられてその部屋に向かった。

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