第337話 【温泉旅行・1】


 温泉旅行に行く事が決まった俺達は、それから話し合っていつ行くのか、何日泊まるのか話し合いをした。

 その結果、仕事の兼ね合いあり二日後に旅行に行き、二泊三日しようという事が決まった。

 当初、ルークさん達は魔女である師匠達も一緒に来る事に凄く驚いていたが、師匠とは宿で何度か会っていたみたいですぐに打ち解けていた。


「ルークさんって本当に人と仲良くなるの上手いですよね……」


「まあ、彼の特技の一つでもあるからね。だから、元々貴族の私にも気兼ねなく接してくれて、それで一緒に冒険者になろうって決めたのよ」


 ルークさんの異常なまでのコミュ力に驚く俺に、エリスさんはそう言って師匠達との楽しそうに話をしてるルークさんを見つめた。

 その後、師匠達は旅行の準備をしてくるわと言って空島に戻り、俺達も解散する事になった。

 そして旅行までは暇な俺は、久しぶりに拠点へと向かい普段はクロエ達しか使ってない庭の訓練場へとやって来た。


「ここも知らない間に、かなり変わってるね」


 元々は普通の裏庭だったのだが、今じゃ芝生から土に変わっていて綺麗に整地されていて、模擬戦闘がしやすい感じになっていた。

 また新しく倉庫も出来ていて、そこには訓練に必要な物が沢山入っていた。


「これって、全部クロエ達が用意したの?」


「うん。でも殆どパーティーのお金だから、ジン君達も使っていいんだよ。あんまり、ここに来ないけどね」


「まあ、レンはずっと研究してるし、俺は俺で色々と動いてるからな……よし、休みに入る前に体を動かしておくか。クロエ、相手になってくれるか?」


「うん。良いよ」


 そして俺は久しぶりに訓練用の刀を取り出して、クロエと向かい合い模擬戦闘を始めた。


「え~、クロエちゃんとジン君。先に始めちゃったの!? 私もしたい~!」


 模擬戦闘を初めて30分程経った頃、後で来るといったレイが来るとそう言って悲しそうな顔で俺達の事を見て来た。

 そんなレイに対して、俺は「後でちゃんと戦うよ」と言うとレイはパァと笑顔になり嬉しそうな顔で準備運動を始めた。


「ふ~、久しぶりにちゃんと運動したな~」


 クロエとの戦闘の後、レイとも戦った俺は一旦休憩をする為に木陰に移動して地面に座り、拠点に住む悪魔が用意してくれた冷たい水を飲んだ。

 そして俺は二人の模擬戦闘を見ていると、少しだけ「ん?」と思う所があり、二人の戦闘が終わって直ぐに声を掛けた。


「クロエ、レイ。二人共、もしかして新しいスキルか何か習得してる?」


「うん。してるよ?」


「ジン君にステータス見せたのって、かなり前だからそれから結構変わってるよ。見てみる?」


 クロエ達は俺の言葉に、当然といった顔でそう言うと二人は同時にステータスを見せてくれた。


名 前:クロエ・フィストル

年 齢:16

種 族:獣人

身 分:平民

性 別:女

属 性:風・水


レベル:83

筋 力:5487

魔 力:6799

 運 :81


スキル:【剣術:5】   【体術:5】  【身体強化:5】

    【夜目:5】   【魔力探知:5】【気配察知:5】

    【罠解除:4】  【警戒心:5】 【風属性魔法:5】

    【水属性魔法:5】【魔力強化:4】【魔力解放:5】

    【瞑想:5】   【集中:5】  【魔力視:5】

    【並列思考:5】 【冷静:5】  【闘志:4】

    【嗅覚覚醒:4】 【威圧:4】

固 有:【獣化】 【覇気】

能 力

称 号:英雄の子  加護持ち 金級冒険者

    獣人魔導士

加 護:獣神の加護


名 前:レイ

年 齢:17

種 族:ヒューマン

身 分:平民

性 別:女

属 性:火・土


レベル:84

筋 力:7425

魔 力:3941

 運 :74


スキル:【戦斧術:5】  【体術:5】   【身体強化:5】

    【火属性魔法:4】【土属性魔法:3】【気配察知:5】

    【直感:5】   【剛力:5】   【集中:5】

    【警戒心:5】  【威圧:5】   【強靭化:4】

    【闘志:5】   【冷静:4】   【瞑想:3】

固 有:【怪力】

能 力

称 号:金級冒険者 怪力娘

加 護:


 いやいや、変わりすぎでしょ!? 二人共いつの間に80レベル超えてたんだ?

 それにスキルもなんか色々と加わってるし、俺が知らない間にどんだけ強くなってるんだ?


「見てない間にかなり変わってるね……」


 内心かなり驚いていた俺は、色々と聞きたい事もある為か逆に落ち着いた感じでそう二人に言った。

 そんな俺を見て、クロエ達は嬉しそうに笑みを浮かべた。


「えへへ~、クロエちゃんとずっと頑張ってるねからね。レン君は研究で役に立ってるけど、私達は戦闘では活躍出来てない時があるから、ジン君の役に立てるように頑張ってるんだよ」


「ジン君は一人で抱え込む癖があるから、少しでも私達が負担できるようにね。どうこれだけ強かったら、ジン君の負担少しくらいは任せて貰っても大丈夫かな?」


「十分すぎるよ……今まで、自分だけで抱え込み過ぎてたけど、二人共かなり強くなってたんだね」


 二人のステータスを見て本心からそう思い、二人に言うと「これからは少しくらいは任せてね」とクロエ達に言われた。

 

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