第169話 【竜王ヴェルド・1】
リウスが生まれた翌日、スカイはもう一匹のドラゴンと共に空島へとやって来た。
そのドラゴンはスカイよりも体は大きく、抑えられている魔力から強いドラゴンだなと感じた。
「お主が、マリアンナの弟子のジンか?」
「は、はい!」
師匠の弟子かと問われた俺は、背筋をピンッと伸ばしてそう返事をした。
すると、そのドラゴンは「ふむ……」と言って俺の事をジーと見つめてきた。
「愚息とマリアンナから話は聞いておったが、ここまで強い人間も久しぶりにみたのう。これなら、我の攻撃にも耐えられるじゃろうな」
「えっ? それはどういうことですか?」
「んっ? ああ、そうじゃったなマリアンナは他にも探してくると言っておったから、こっちに戻って来てないんじゃったな。我はお主の修行相手として、マリアンナに頼まれて来たんじゃよ」
そうそのドラゴンが言うと、横に立っていたスカイから「マリアンナは親父にジンの修行相手を頼んだみたいだよ」と教えてくれた。
確かに見た目がかなり似てたから、そうなのかと思ってたけど、このドラゴンがスカイの父親であり、ドラゴン族の頂点に立つ竜王なのか。
「……えっ? 俺の修行相手が竜王様何ですか!?」
「うむ、マリアンナから頼まれた時は人間の修行相手に我を使うのかといったのじゃが、なにやら弟子を最強にする為にはその位は必要だからと言われての」
竜王を修行相手にするとか、師匠流石にぶっ飛びすぎですよ。
そう俺は師匠の考えに呆れながら、俺は竜王様に修行場所へと連れて行かれた。
その道中、竜王様の名前を教えてくれてヴェルドという名前という事を知った。
竜王ヴェルドって、ゲームでも確か出ていたな、確か勇者が挑む試練の一つに竜門という試練を突破する際にドラゴン族の長という名前で出ていた。
ゲームでは名前しか出ていなくて、どんなドラゴンなのか想像してたけど、目の前のドラゴンがそのドラゴンだったのか。
「ヴェルド様は師匠とはどういった関係なんですか?」
「うむ、そうじゃな……人間の言葉で言うと、友という関係じゃろうな。互いに助け合う時もあるし、相談事をする事もあるのう」
ドラゴンと友達って師匠の凄さがどんどんと上がっていくな……ドラゴンと話す事さえ、普通の人類は無理なのに……。
「そういうお主はどうやって、あのマリアンナの弟子になったんじゃ? 我が知り合って、マリアンナが弟子をとるなんて聞いた事がなくての、愚息からマリアンナに弟子が出来たと聞いた時は驚いたぞ」
「その俺も師匠の弟子になろうとして、なったんじゃないんですよ。元は【空間魔法】について勉強がしたくて、教材として買った本が偶々師匠が書いた本でそこに弟子になる条件の試練があって、偶々その試練を突破したら弟子になってんです」
そう俺は簡単に説明すると、ヴェルド様は「変なやり方で探してたんじゃな」と言った。
その後も移動してる間、俺はヴェルド様と色んな話をした。
そうして一時間程、空の旅をしてやってきた場所に到着した場所はスカイの実家であり竜王ヴェルド様が住んでるドラゴン族の土地へとやって来た。
「ヴェルド様! 行き成り、何処かに行かれては困りますと何度も言ってますよね! 今度は何処に行かれていたんですか!」
ドラゴンも入れる大きな門を通りけると、その先に人間の姿をした男性はヴェルド様にそう文句を言った。
それを聞いたヴェルド様はめんどくさそうな顔をして「マリアンナの弟子を迎えにいってたんじゃ」と言って俺を前に出した。
「マリアンナ様の弟子? そんな方が居るんですか?」
その男性はそう言いながら、俺の事を疑うような目つきで見てきた。
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