『人類復活法案』

やましん(テンパー)

『人類復活法案』


 全体地球生物総会は、紛糾しておりました。


 議題は、『環境破壊し尽くして、絶滅した人類を、試験的に復活させるかどうか』であります。


 人類が絶滅して、3万年。


 地球の生き物は、進化を続けていました。


 今のところ、一番高い知能に達したのは、霊長類ではなくて、猫属でした。


 たしかに、鯨属は、それに負けないくらいの知能になってはいましたが、いかんせん、まだ、海からは上がっていませんでした。


 そこで、会議は一部、リモートも使われておりました。


 で、つまり、会議は紛糾しました。


 猫属は、人類を復活させたいと言いました。


 のどを、グリグリしてくれるという、人類に対する憧れもありました。


 いぬ属は、あえて反対はしませんでした。


 鯨属は、人類は、海を汚すので、賛成できないと言いました。


 しかし、そのなかでも、しゃちは、べつにいいしゃち、と、言いました。


 いるかは、棄権しました。


 へび属は、賛成しました。


 うしぞくは、もう反対でした。


 人類は、自分たちを利用するだけ利用して、二酸化炭素の排出源とか、悪く言ったから。


 ぶた属は、やはり、賛成しかねるとしました。


 でも、いのししたちは、人類の畑が恋しいと言いました。


 巨大化しかけ、知能が向上していた、いか属は、自分たちの地上進出の邪魔だと考えました。

 

 人類時代から、非常に力を持つ、ごき属は、賛成しました。



 てなぐあいで、なかなか、まとまりません。


 そこで、議長だった、ぱんださんは、とりあえず、一人だけ再現させてみる、と、提案しました。で、評判がよかったら、もうひとり。


 これが、決議案になり、再度、5 年後に再検討することになりました。




 

 保存されていた、人類のさんぷるから、名高いひとりが、再現されました。


 それは、もちろん、スノウマン、さんでした。


 彼は、たくさんの知識があり、一躍、人気者になりました。


 次に、ベートーベンさんが、再現されました。


 彼は、第10交響曲からあとを作曲しました。


 しかし、残念ながら、もう、演奏できませんでしたし、理解もされなかったのです。


 それでも、スノウマンさんと、ベートーベンさんは、仲良しになりました。


 

 さて、5年後、さらに、人類の再生を進めるべきかどうか。


 投票されることに、なりました。




 あなたは、賛成、反対、どちらに投票しますか?



       


 


 


 


 


 

 


 

 


 



 

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『人類復活法案』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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