題名を見て、ぴん、ときた方は是非よんでいただきたい。
推理物が好きな方にはたまらないでしょう。人間ドラマにこだわる方にも面白いでしょう。
とにかく人と人とのやりとりが、ドラマを見るような面白さで、ぐいぐい読めてしまうのです。
謎を追うのが主軸ではありますが、会話の粋な感じや人と人とのの関わりを描くシーンは読書の楽しさを知らしめてくれます。
まだ最後まで読んではいませんが、この先も楽しませていただきます。

公立高校に編入してきたばかりの、かれん。転入した学校には、ひと月前に自殺した生徒の幽霊が出るという噂があった。その幽霊に誘われるように、また新たな自殺者が……。二件の自殺とそこに絡む都市伝説の探偵「ラストホームズ」に、高校生組と警察組がそれぞれ迫っていく。

それぞれの章ごとに、クラスメイトの自殺、洋館の吸血鬼、怪しげなチェーンメールと、学生にも身近に感じる事件が起きる。
かれんたち高校生の視点から見たそれらの事件は、普通の日常と地続きになっている非日常に一歩ずつ踏み込んでいくようなリアリティがある。

事件をより深くしているのが警察側の視点。
リアルな警察内部の様子と語られる事件の詳細は、高校生側からだけでは感じきれない事件の重さや大人から見たリアリティを感じる事ができる。

そして大事なのはやはりミステリーとしての謎解きだろう。
謎解きが好きな方は是非、物語の随所に散りばめられたヒントを頼りに誰が何をしたのか、どうしてそんな事をしたのか、考えながら読んで欲しい。そして読了後には再読しながら答え合わせをするのもまた楽しいだろう。

さらにこの物語で一番のミステリー、ラストホームズの正体についても是非考えてもらいたい。
私はさらっと読み進めてしまったけれど、決定的なヒントは一章に出ている。それに気づいた人はその正体に確信が持てるはずだ。その上で二章、三章を読み、あれ？本当にこの人… 続きを読む

キャラクターによって存在が語られるが姿を見せないラストホームズ。何者なのか気になりました。ホームズが関わったとされる事件の謎解きも見所です。

推理小説に探偵役は必須です。この物語には二人の探偵役と、ひとりの探偵がいます。
事件は学生の飛び降り自殺から始まる。
一人目の探偵、被害者のクラスメイト佐々木かれんは他殺の匂いを感じた。
二人目の探偵、刑事の山本亜利奈は一連の事象の裏に見え隠れする人物、ラストホームズを怪しむ。
三人目の探偵、都市伝説になっている人物、彼こそがラストホームズ。

二人の探偵役、佐々木と山本のどちらがトリックを暴いて犯人を見つけるのか。それだけでも謎解きとして面白い。さらにラストホームズは誰か？事件に絡む目的は何か？現状、動機まではわかりませんが、誰なのか推理するのは非常に楽しい。
全ての登場人物、全ての行動に疑心暗鬼にさせられる本作は実に秀逸です。
ノックスの十戒を順守している（私の推理が正しければですが）ので正統派の謎解きが楽しめます。
何度も読み返してください。その度に驚きが見つかるでしょう。

まずは死体を転がせ！

文章を書くために、色々な指南書を読んでいると、こんな言葉がありました。ミステリーの定石みたいなものです。読者に、まずは、事件を提示する。

ラストホームズも、その例にもれず、あらすじでも紹介されています。王道と言いますか、作者はミステリーが好きなんだなーと感じました。

登場人物が多いので、少し混乱しました。パソコンで読んでいましたので、登場人物一覧を別のウィンドウに表示… 続きを読む

ラストホームズ、それは法律では裁けない悪人を、私刑によって断罪する探偵のことである。依頼の代償として自らの死か処女を奪われるという噂が囁かれているが、真偽の程は定かではない。　　
ある時、ホームズに依頼をしたとされる女子生徒が高校の屋上から飛び降り自殺した。その女子生徒の人魂が出るという噂が立ち、真相を確かめようと屋上に出入りする生徒が後を断たない。そんな中、人魂が見えた直後に別の女子生徒の自殺… 続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。 全文を読む（289文字）

『ラストホームズ』
真しやかに囁かれる都市伝説……
この都市伝説の影を引きずり事件は起きる。とある少女の死───。
同じ学校に通うかれんは、校内であるモノを見た切っ掛けで少女の死の真相に巻き込まれる。少女の死は、自殺なのか、他殺なのか……何も知らない女子高生かれん。巻き込まれた行き先に待つものとは────。

この謎を読みながら解きましょう。この謎に貴方は魅せられます。