第二章
MURASAME
とある東方面狩猟指定地区にて、強化外骨格の[MURASAME]が走っていた。
砂山だけの砂漠を走り、そして登り始めた。
砂に足が絡め取られるが、強化外骨格を使用した砂山登りなど、公園の滑り台を登るよりも遥かに楽である。
「クッ!ハァ…ハァ…まだ、来てるのかよ!?」
後ろを見たMURASAMEはその大群に驚きの声を上げる。
白いワームを中心に紫色と赤色で構成されたワーム群。
MURASAMEはミームを拡散して逃げるも効果が無い。
腰のウェポンボックスからライフルを取り出した。
「多すぎなんだよ…!」
マガジンを撃ち切るとウェポンボックスから展開されているマガジンを抜き取り、ライフルのマガジンを砂山に落とす。
そして、走り始めた。
山頂にたどり着いたら飛んで滑り落ちる。
マガジンを差し込んだライフルを山頂側に向けてるとワーム群がわらわらと砂の上を滑りながらこちらを追いかけて来る。
「ッ!」
ライフルを撃ち始める。
バレルが結晶化でおかしくなり始めるが、構わず撃ち尽くす。
リロードして砂山から降りるととにかく次の砂山を目指して走り始めた。
「ハァ…ハァ…ハァ…ッ!ハァ…」
走って走って走りまくる。
息が切れても、肺がとにかく苦しくても。
視界がぼやけても。
転けそうになっても。
それでも次の砂山へと目指して走る。
なにか奇跡が起きるかもしれない。
それだけを願って…
(3秒祈る…だから…頼むぜ…?)
山頂で目を閉じて立ち止まった。
両手を握りしめ、光が中から漏れ始める。
すると瞬間、顔を何かが掠め通った。
MURASAMEの判断は…弾丸。
種類はシェイカーとゆう特殊なスナイパーマグだ。
手を離し、後ろを向いた。
ヘルメットの中では驚きの顔がそこにはあった。
白いヤツを残して蜘蛛の巣を散らすように逃げるワーム達。
ワームは聴覚よりも視覚のほうが良い。
なので潜り、加速したら地面に出て対象を捉える。そうやって移動するのだ。
そのワームの移動中。つまり上下に激しく動く対象を一発で撃ち抜いたのだ。
しかも頭。
ワームの口から入り、脳を破壊している。
その脳が破壊された痛覚が取り巻き達に伝わり、混乱したワーム達は逃げに徹したのだ。
なんとゆう狙撃精度。
観測射撃も行っていないとゆうのに…
しかもだ、どこから撃ってきたのかMURASAMEが理解できていない。
(人間技じゃない…機械なのか?)
そう思いながらも残党処理に移る為にMURASAMEの本分であるカタナを抜く。
硬派エネルギーショックが刃に発生する。
そして、混乱して敵に向かっているとは知らないワームを斬った。
口から尻尾まで音の1つ鳴らずに斬れる。
そして、砂山を死体が転がり、半分に割れて体液を撒き散らしながら滑り落ちてゆく。
この一匹だけでも倒すのは難しい。
全長は人の1.5倍。
口の大きさは人の腰程までにあるのだ。
皮は衝撃には弱いが、下手な戦車の砲弾なんかは弾くほどの強度なのだ。
追加装甲として高い価値がある。
それを綺麗に一刀両断。
価値は他よりも2.3倍は高いだろう。
しかし、あの白いのだけはわからない。
綺麗に脳を撃ち抜いたのだ。
国宝級…とまではいかないが、国が欲しがるだろう。
あれさえ被れば誰でも核ミサイルを防げるのだ。
宇宙だってあの皮1つで事足りる。
そんな
そんな欲求に駆られながらも、砂山を降りていった…
~スナイパー~
そこに獲物が居た。
だから…撃った。
その時のトリガーは異常なまでに軽く、反動も狩った時よりも強かった。
それは、自身の感覚がおかしいとゆう事を伝えてくれた。
(…明日は休むか。)
そう思い、彼女は砂山を降りていった。
傾いて駐車していたホバーバイクに股がり、加速していった。
翼が展開され、飛び立ったホバーバイクから見る景色は、牢獄の他無い。
砂漠の奥地にあるのは赤黒く染まった大地を遮る灰色の壁に、爆発とレーザーの連続。
そして、海。
その海には、上級国民が大勢居る。
今日も、宇宙に飛び立った移民船を見た…
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