第4話
不思議なもので、それから、再々おばさんに会った。学校に行くバスの中で何かの拍子に咳き込んだことがある。その時にのど飴を差し出してくれたのがおばさんだった。おばさんの家は私の家とバス停の間にある。ちなみにおばさんと出会った資源ゴミ置き場はおばさんの家の手前の十字路のかどだ。
バス停から私の家まで徒歩十分なのだが、急に雨に降られおまけに傘を持っておらず、その時に傘を差し出してくれたのもおばさんだった。
母親の代わりに面倒を見てくれた祖母が亡くなったのは、中学三年になったばかりの時。それからほぼ一年の間、私は誰かにかまってもらった記憶がない。まあ、かまわれたくもないわけで、と突っ張ってはみたものの、やはり心の奥底では寂しかったということか。おばさんの存在は私の中で大きくなってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます