第3話 親と異世界人

サキを購入して3日たった。奴隷という扱いはしていない。理由は、俺がサキを好きだったから。サキは美人で優しい性格の女だ。言い寄ってきた男はたくさんいた。いつも一緒にいた俺だったがいつの間にか彼女は俺とは違う世界にいた。サキが『陽キャ』という人種にすると俺は『陰キャ』という人種になるだろう。『いつも何を考えてるかわからないアニオタ&戦争オタクの陰キャ』と『みんなに優しい美少女な陽キャ』とでは釣り合わないのだ。そして俺の体に変化が起き始めてきた。奴隷市場には魔力水晶がおいてあったため測ってみたが俺の属性は全属性だった。この世界初めての結果だったらしい。ちなみにサキの属性は『光』だった。

(全属性・・・か・・・まるで俺TUEEE系のラノベじゃねぇか・・・)

考えながら歩いていくと

「おい貴様!止まれ!」

正面から二人に大声で言われたので俺たちは止まった。

「此処から先は王国ラグルスだ。貴様はどこの国のものだ。」

兵士の検問みたいなものに引っかかってしまった。

「国に属してはいない。俺たちは異世界人だ。」

二人は笑いだした。

「何がおかしい」

俺はついイラッときて強い口調になった。

「異世界人なんて今までで二人しか来ていなかったんだぞ。異世界とこっちの世界を行き来しているがな。その二人以外に来ることなんてないからお前らが異世界人なんて信じられねえよ」

二人も来ていたのか

「二人の名は?」

「加賀龍気様と加賀亜紀様だ」

「加賀龍気と加賀亜紀だと?!」

加賀龍気と加賀亜紀は俺の親だ。ここ五年は仕事の都合で会ってなかったけどな。

そんなことを思っているともうひとりの兵士が

「そういえばアールド王国が異世界人を大量召喚させたらしいぞ。確か勇者を探すとかなんとかって言って。そんで勇者の名がイグモミナトという学生らしい。」

アールド王国は異世界に召喚されたときにいた町だ。ん?待て、イグモミナト?俺のクラスメイトにそんなやつがいたが・・・あとこいつなんて言った?異世界人を大量召喚って言ったか?まさか俺たちのクラス全員を異世界に?

「少し交渉がある」

俺は兵士の二人にある交渉をした。その交渉の内容は

「お前らを貴族にしてやる代わりに俺たちを通せ」

という馬鹿でも引っかからない嘘をついたが兵士はどうやら馬鹿以上に頭が悪いらしい。すぐに通してくれた。

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君と踊る最後のレクイエムと始まりのゲネシス TACUMA @yaminokami

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