第十話 すっかり忘れていました。魔法のお勉強。

 あれから…ルイと話しをして無い…。あの後何回か、ルイに接触を試みた…けど、中々簡単にはいかなかった…完全に嫌われちゃったかなぁ…今迄仲良くしてたお友達と、些細な事で、こうも簡単に口を聞かなくなるなんて…人間何が起こるか本当に分からないなぁ。

 アリビオとセラススも、いつもと違うって事には勘づいてるのだろうけど…敢えて、その話題には触れて来ない。逆に触れて欲しいんだけど…何かのきっかけが有れば…。

 などなどと考えていても仕方が無い!自分で撒いた種だっ!時間が解決してくれるでしょっ…多分…。


 そう言えば、マーチが言ってたっけ?今度の土曜日に晩餐会があるって、そろそろ準備をしとかなきゃ…隣国のお偉い方達も来る事だし…今夜メイド長のシャーロットとセラススで何着ていくか相談しょ…。

 夕食も済ませ、両親が今度の晩餐会の話しをして来た。


「2人共、晩餐会に着て行くドレスは決まっているのかしら?」


「おお…そうか…もうそんな時期か…月日が経つのは早い…今回もどんな強者が隣国から来ても主役はお前達2人に決まりだなっっ」


「…アナタったら…何もこの子達は勝負しに行く訳じゃ無くってよ?」


「むむむ…其れもそうだがっっっやはり隣国の殿方にお目に掛かって、お嫁に行ってしまうのは…やっぱり悲しいぞっ!!」


「アナタっ!!17歳で許嫁が居ないのは遅い位ですわっ!!私達の大切な娘達がいかず後家になってしまっても良いとおっしゃるの?」


「…そ…それは…」


 あーあ…こうなってしまったら、お母さまを誰も止める事が出来ない、しょうが無いから、私はセラススにアイコンタクトを送り、私の部屋に避難する事にした。


 セラススと共に、私の部屋に戻り、セラススは私のベッドの上に私は勉強机の椅子に其々腰を掛けた。


「あー…お父さまにも困ったものよねぇ…でもっ!お父さまの気持ちも分かるけど…お母さまの気持ちも分かるのよねぇ?」


 セラススはクッションを、ギューッと抱きしめて、話しを進める。

 確かに…17歳で、許嫁居ないのは、遅い位なのかしら?でも…。


「…ねぇ?ステルラ?1つ聞くけど…ルイと喧嘩でもした?」


「えっ!!!!はっ??わわわ私とルイが?何故?急に?喧嘩なんてする訳無いじゃ無い?」


 ちょっと待ってよ!いきなりその話題は止めて!心の準備が…思わず、声が裏返っちゃったじゃ無いよ!!


「……ふ〜ん…まぁ…話したく無いなら、良いのよ?私もアリビオも、2人がよそよそしいのを心配してたから」


「あ…ごめんなさい…」


 セラススは、それ以上聞いて来る事は無く、それ所か、返答に困っている私を見ては、黙って私の頭をポンポン撫でると…。


「明日には、シャーロットとドレスの打ち合わせしょっか?今日は休むわね?お休みなさい。お姉さま」


 それだけ、言い残しセラススは自分の部屋に戻って行った。


 うっ…これじゃどっちがお姉ちゃんか分からないっ!!


 そう言や…この世界って…魔法が使えたんだっけ?アリビオなら詳しく、教えてくれそうだなぁ。明日学園に行ったら、アリビオに聞いてみよ…そろそろ、真面目に魔法のお勉強初めなきゃね?…でも、ハッキリ言って私にそんな「魔法」と言う物は要らないなぁ。だって現にここに居る時点で「魔法」みたいな物だし…って、意味が違うか…。


 ふむぅ、セラススに聞いても良いんだけど、絶対喧嘩になりそう…やっぱ身内って言いたい放題言うじゃ無い?


 リアルでも、そうだったもの…姉に宿題で分からない所を聞いたら、最終的には喧嘩になっていた様な…。


 私の小説の中だから…セラススとは、喧嘩にはならない…はず…はずなのよ?でも…自信が無い。

 ……ルイ…は無いか…本当はルイのが聞き易いんだけど…今の状況じゃ無理よね?

 …っと、なると、やっぱアリビオになるかのよ。アリビオも、凄く丁寧に教えてくれるのは良いんだけど…ヒートアップするとスパルタになるのよねぇ…。

 誰よっ!そんな風に人物設定したのはっ!!て言いたい…でも、それをしたのは私っ!

 悔やんでも仕方が無いっ!!今はアリビオが頼りなんだものっ!!


 嫌じゃ無いのっ嫌じゃ…でもっ怖いっいやっでもっああ…やっぱ怖い…いやっアリビオしか…ああ…でもっ…と、1人葛藤していた。


 …こんな事アリビオに知れたら雷所じゃ無いわね?失礼しました!!!!


 でもっまさか、私のこの行動が、セラスス、ルイ、アリビオの波乱の幕開けになるとは夢にも思っていなかったのです!

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