第八話 もうっもうっもうっ!話しくらい聞いてよぅ!!

 あの後、休憩時間や隙を見ては、ルイに謝ろとしたけど…ことごとく失敗に終わる…。

 先生の用事に、アリビオやマーチやら他の生徒達が話し掛けて来たり、チャンスが出来たと思えば…ルイ自体が居なかったり、クラスメイトと話し込んでいたりで…タイミングが合わない…トホホホってなっちゃうわ。


 しょうがない…お昼休みでも再チャレンジしてみよう。彼の行き場所は大体分かるし。…っふっふっふWこの話しを作った原作者??からは逃れ無いのだよ?ルイ・ディライト君。


 ーーーーキンコンカンコーンーーーー


 12時20分午前の授業も終わり、皆がお待ちかねのランチタイム!!


 ワイワイガヤガヤと皆も、この時間が1番楽しい時、食堂に行く者や中庭に行く者、或るいは教室で食べる者…皆、其れぞ好きな場所で時間を過ごしている。


「おっと…私も早くルイの所に行かなくちゃ」


「ステルラー食堂に行きましょー?」


 隣りのクラスのセラススからお誘いが来たっけどっごめんっ!!


「セラスス!ごめんなさい!今日やる事有るから、食堂はパスするわ?本当ごめんね?」


「えっ!あの食いしん坊のステルラがっ??何が有っても食に対しては決して譲らないステルラが??パスする程の大切な用事なら仕方が無いわね?分かったわ」


「…セラススったら…」


 だって、今迄、廊下で偶然ルイと会っても、お互い笑顔を交わす感じだったのに…今日は、偶然に会っても目も合わせてくれなかった…このまま、気まずくなるのは絶対に嫌だからっ!!

 誰だって大切なお友達と、誤解されたまま居るのは嫌じゃ無い?


 だからっ今日中に謝るってそう決めたのっ!


 ルイがいつも、行きそうな場所は…中庭は探したし…食堂…屋上にも…講堂やら探しても居ない…と…あれぇ?私が一応、作った世界だから、分かると思ったけど甘かったか…。

 後は行きそうなら、図書室かなぁ?と思い、図書室の前で足を止めた、この時間帯は、先生も他の生徒達は、お昼で居ないはず…居てたとしても、ランチの時間も惜しむ勤勉の強者達しか居ない。


 ーーーーーーーガチャッーーーー


「お邪魔しま〜す…」と、ルイが居てる事を祈りつつ、図書室の扉を開く。そこには、数々の世界中から集められた。珍しい本が、私の身長以上は、有るだろう学園に相応しい立派な本棚が所狭しと、キチンと並べられてる。

普段から図書室の、司書さん達が頑張っていてくれているお陰なのだろう。天井の窓には綺麗なステンドグラスで、色取り取りに光が差し込んで来る…。ここだけが時間が止まっているみたい。

 私は、他に勉強している人達の邪魔になら無い様になるべく足音を立て無い様にルイを探した。…ここにも…ここの例にも居ない。


図書室じゃ無かったのかなぁ…。今日は、無理かも…また出直そう。


 私が…諦めて、図書室を出ようとした時1人だけ勉強をする訳でも無く、ただ頬杖えを付きながら、窓の外を眺めているルイを見つけた。

 …何て言うか、今朝も思ったけど本当、絵になる。普段は賑やかな所しか見て無いからかなぁ…彼の違う一面を見た感じ。


 うっ何となく…声を掛け辛い、やっぱり日を改めよう…。


 私は、彼に気付かれ無い様に図書室を後にした…しょうが無いよね?もしかして、彼の事だから、明日になればいつも通りになってるはず。その時にでも謝ろ。


 昼休みも、終わりに近づき、教室に戻る最中、アリビオとセラススが仲良く2人で歩いているのを見かけた。セラススを見ると、頬を赤らめアリビオの話しを聞いている。


一方アリビオも、優しい表情を浮かべながら、セラススに話かけている。

 側から見たら、お似合いのカップルだ。誰もがそう思うだろう。

 にしてもセラスス本当可愛いなぁ…あんな可愛い女の子に言い寄られたら、誰でも嬉しいに決まってるわよねぇ…アリビオも満更でも無い顔しちゃって、まぁ。


 以前、セラススが、ルイの事を気になるって言っていたけど、彼女の雰囲気からしてアリビオの方に気が有る感じなのかな?

 何て…あれこれ考えてる私に、セラススが気付いた。


「あれ?ステルラじゃ無い?どうしたの?大切な用事とやらは終わったの?」


「あっ…うん…いえっまだ…その」


「何よっハッキリしない返事ね?」


「どうした?ステルラ?何だか元気が無いみたいだが?もしかして、又具合が悪くなったのか?」


 アリビオ、彼が心配そうに一歩前に近寄って来た時、私は、一歩後退してしまった。

 …あれ…このパターン…やっちゃった?


「?ステルラ?」


「あありがとうっアリビオッ私なら大丈夫ですわ?お心遣い感謝します。」


「ふむ…なら良いのだが、余り無茶はするなよ?」


 そう言うと、彼の大きな手が私の頭にポンポンと撫でて来た…ひゃあっ///男の人の頭ポンポンは、正直萌えてしまいます。


「あら?ルイじゃ無い?」


「よぉ…3人で何やってんだよ?」


 ルッ…ルイまさか私の背後に来ていたなんて…不覚です!気配を感じませんでした!ルイは、私とは目も合わさずに、セラススとアリビオに話しかけている。


「ステルラが元気無いから、身体の心配をしていた所だ」


「…ふ〜ん」


 何っ…その、あっそうみたいな返事っっ!流石に、カチンッと来るわねぇ。


 お昼休みが終わりのチャイムが、鳴り其々教室に戻る事にした。

 その、時に視線を感じたから、見ると、ルイとまた目が合った…。


 まさか、ルイもこちらを見るとは思わなかったのだろ…慌てて目線を逸らし、教室に入って行ってしまった。


 …だから、何なのよっ一体っ!そりゃ…今朝は私が断然悪かったけどさ!…なんだろ…良い加減腹が立って来たよ…むーん。

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