花言葉 キンセンカ(2月9日)

 明日は雪の天気予報ですが、今はとても気持ちの良い青空が広がってます。寂しさも吹き飛ばしてくれそうな清々しい青空ですね。

 さて、2月9日の花言葉は『キンセンカ』から『別れの悲しみ』『悲嘆』『寂しさ』『失望』です。


 キンセンカを漢字で書くと金盞花となります。

 名前に金と入るくらいですからね。オレンジや黄色が鮮やかなマリーゴールドにも似た花姿と花色です。ちなみに、この「盞」はさかずきを意味していて、花の形が盃のように広がった形を表しています。

 こんなに華やかなのに、花言葉はなんて悲しいのでしょうか。


 このエッセイを読んでいる方は気付いていると思いますが、花姿に似合わない花言葉だった場合、真っ先に神話を調べてみましょう。ギリシャ神話が由来になっていることが、多いですね。


 太陽神に恋をした乙女クリティ(クリュティエ)は、叶わなかった恋に悲しみ、一輪の花になっても太陽を見続けました。という話を聞いたことがある方もいると思います。この花はヒマワリ、キンセンカ、あるいはヘリオトロープだという説があります。

 ヒマワリはギリシャ神話が生まれた時代にヨーロッパに持ち込まれていなかったため、後に生まれた創作だとも言われていますけどね。


 それにしても、ヒマワリの花言葉には「愛慕」「崇拝」等の希望を感じる言葉が並んでいるのに、キンセンカはとても悲しいですね。

 ヒマワリの回ではさらりとしか触れなかったクリティの話を、改めてお届けしたいと思います。


 乙女クリティは太陽神アポロンに恋をします。しかし、アポロンはレウコトエ王女と相思相愛となり、クリティには見向きもしませんでした。

 アポロンを独り占めする王女に嫉妬したクリティは二人を引き裂こうと、王女の父オルカモス王に、二人の関係を密告してしまいます。

 怒った王様は、王女を生き埋めにしてしまいます。アポロンが掘り返したとき、既に王女は冷たくなっていました。

 嘆き悲しむアポロンを見て、クリティは我に返り、嫉妬した己の浅ましさを恥じました。しかし、アポロンが振り返ってくれることはありませんでした。

 後悔と悲しみに泣き、空を見続けて9日後、クリティは一輪の花に姿を変えたそうです。


 アポロンとクリティは恋仲だったとか、アポロンが恋をしたのはクリティの姉だった説もあるようです。

 どれにせよ、クリティは嫉妬の闇にとらわれてしまった訳です。花言葉に悲しみしかないのも頷けますね。

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