花言葉 ミセバヤ

 見たことのない花を知ると、すごくワクワクします。現物をみたい!と思い、花屋さんに立ち寄ってみたり、散歩のときに公園や緑地に足を伸ばして探してみる、なんてこともあります。

 でも、日本原産でも絶滅危惧種になっていたり、花屋さんでもなかなか見かけないものだったりする花もあるんですよね。


 10月15日の誕生花『ミセバヤ』も、私は一度も見たことのない花です。

 多肉植物で秋になるとその葉を赤く染めるそうです。開花時期も今時期で、ピンクの小花が集まって球状になって咲く姿は、ぽんぽんのようで可愛らしいです。その花のつき方から、玉のという別名もあるそうです。


 日本原産の花で、自生種は香川県小豆島の一部でしか見られないそうです。でも、江戸時代の園芸ブームで、園芸種が出回ったことで、その一部が野生化して見ることも出来るとか。

 こんな特徴的な花、一度見たら忘れないと思うんですよね。昔、小豆島に一度遊びに行ったこともありますが、その時も出会えてません。

 春先、ミモザが咲く時期だから、ミセバヤの時期は終わっていて気付かなかったのかしら?

 また遊びに行く機会があれば、ぜひ出会ってみたいですね。


 ところで『ミセバヤ』って不思議な名前ですよね。

 感じで書くと「見せばや」です。

 江戸時代、高野山の法師がこの花を見つけ、歌の師である冷泉為久に「君に見せばや(あなたに見せたいものだ)」と思いを綴った文を添え、花を送ったそうです。

 その逸話から『ミセバヤ』と呼ばれるようになったとか。

 園芸ブームの巻き起こった江戸時代らしい、趣のある由来ですよね。


 なお、学名はHylotelephium sieboldiiヒロテレフィウム・シーボルディは、江戸時代、シーボルトが日本から持ち帰ったことで、その名がつけられたそうですよ。

 江戸時代の園芸ブームの陰に、シーボルトあり!ですね。


 江戸の園芸に花を添えた『ミセバヤ』の花言葉は『大切なあなた』『つつましさ』です。

 花名の由来にもなっている、師を思いやる気持ちが込められているんですね。


 数年前に多肉植物ブームがありましたし、もしかしたら、花屋さんの多肉植物コーナーにあるのかもしれませんね。名前に込められた「あなたに見せたいものだ」という思いに答える訳ではありませんが、花屋さんの前を通ったときにでも、ちょっと、探してみましょうかね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る