花言葉 ハギ

 春の七草ほど有名ではありませんが、秋にも七草があります。


  秋の野に 咲きたる花を 

      指折りおよびをり かき数ふれば 七種ななくさの花


  萩の花 尾花 葛花 瞿麦なでしこの花

      姫部志をみなへし また藤袴 朝貌の花


              (万葉集・山上憶良)


 9月24日の誕生花『ハギ』が、筆頭の歌ですね。

 以前、話題にしたススキが尾花です。朝貌は桔梗だと言われていますね。


 ハギとオギ、どっちがどっち?と思う人もいるかもしれませんね。

 ハギはマメ科の植物で可愛らしい赤紫の花を咲かせ、オギは川辺に群生する尾花ススキにそっくりな植物です。名前は似ていますが花姿は全く違います。


 幼稚園に通う頃、ハギの葉を草笛にするのが流行りました。

 通園バスの停車場の側にハギが植えられていました。円葉萩まるばはぎだったと思います。それを運転手さんが摘んで、綺麗な音を奏でてくれたんです。

 私も含め、子ども達は夢中になって真似をしました。ぶほーふーふーって、なかなか音が出ないんですよ。初めて綺麗にぴーって音が鳴った時は感動ものでしたね。


 ハギの葉は柔らかいので、子ども達が音を奏でやすかったのかもしれませんね。他の固い葉でやってみたら、全く音がでなかった記憶があります。

 幼稚園の記憶ってあまりないんですけど、この草笛はよほど嬉しかったのでしょうね。


 そんな秋の思い出に欠かせないハギから、もう一つ思い出すものがあります。それは仙台銘菓・萩の月です。

 私の旦那さんはカスタードクリームが苦手らしいんですけどね。私は大好きです。冷やしていただくと美味しいですよ。

 仙台平野は、古くから宮城野と呼ばれるハギの名所だったそうです。宮城県の県花も、萩の一種・宮城野みやぎのはぎですし、県民にも愛されてる花なのでしょう。それがお菓子の由来のようです。


 宮城野萩が江戸時代に繋いだご縁が、今でも水戸の偕楽園に残っているみたいですね。


 仙台藩が水戸藩にハギを贈ったそうです。

 第9代藩主徳川斉昭公は偕楽園を作り、譲り受けたハギを園内に植えたと言われています。

 今でも、園内には宮城野萩を中心に、様々なハギが秋に美しく咲くそうです。その数、約750株だとか。

 9月に美しく咲くハギを楽しむ萩祭りも開催されているそうです。今年は9月25日までで、残念ながら私は行けないんですよね。いつか見に行きたいものです。


 さて、そんな『ハギ』の花言葉は『思案』『内気』『柔軟な精神』です。

 控えめな美しさを見せる花姿や、しなやかな枝の先がしなだれる様子などが、この花言葉の由来なのでしょう。

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