花言葉 アカネ

 秋は空がとても綺麗に見えますよね。澄んだ青空にすじ雲が流れたり、うろこ雲が秋らしさを演出するのも良いですが、夕焼けも趣があって、とても素敵ですよね。

 清少納言も枕草子で「秋は夕暮れ」と綴っていますよね。今も昔も、山の紅葉を思わせる夕暮れの空は人々に感動を与えたのでしょう。


 秋に夕暮れが美しく感じるのって、秋らしいすじ雲や、うろこ雲のお陰らしいですよ。

 地平線下に沈んだ太陽が雲を照らすことで、鮮やかな茜色に空が染まるります。でも、下の方に厚い雲があると、それが遮られてしまいますし、雲がなくても上手く赤くならないそうです。

 夕焼けは晴れ、朝焼けは雨、なんてことわざもありますし、ちょっと朝夕の空を眺めるのも良いかもしれませんね。


 さて9月22日の誕生花は『アカネ』になります。そう、茜色のアカネです。

 花姿は白い小花で目立たない感じなんですけどね。古くから、日本ではアカネの根を染料として使ってきました。アカネは赤い根が由来だそうです。学名のRubiaルビアも、ラテン語のruberが由来だとか。海外でも日本と同じように染料として使った歴史があるんでしょうね。


 そんなアカネの花言葉は『私を思って』『媚び』です。ひっそりと咲く小花のイメージではなく、茜染めで作った鮮やかな衣服の印象のような気がしますね。


 ちなみに、アカネの漢字が茜になったのも、その根の形状に由来するそうです。

 草冠なのは、植物を意味するというのは想像つくでしょう。西は、夕焼けの赤を意味しているのかしら?と思ったのですが、違いました。

 西には「分散している」という意味があり、特徴的なアカネのひげ根を表したものだそうですよ。

 根の画像を検索し、なるほどと思いました。見事なひげ根です。


 アカネを使った茜染めの歴史は古く、正倉院にも茜染めの敷物が納められているそうですよ。

 また、万葉集にも「あかねさす」という枕詞がありますよね。この「あかねさす」は夕暮れというより、照り輝くといったイメージで、朝日や昼間の日差し、光そのものにかかる言葉ですよね。

 現代では、秋の夕暮れを表すように思いがちですが、美しい茜染めから、輝かしい印象が強かったのかも知れませんね。

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