花言葉 ホウセンカ

 9月8日の花は『ホウセンカ』です。夏の花壇でも鮮やか花を咲かせていたと思いますが、そろそろ咲き終わりを迎えて、種をつける頃でしょうか。

 ホウセンカと言えば、弾ける種ですよね。

 幼い頃、庭にあったホウセンカの実を割って、種を集めた記憶があります。ちょっと触れるだけで飛び散ってしまうんですが、それが面白かったのでしょう。


 ホウセンカの別名はインパチェンス、て言うんですけどね。この名前、ラテン語のimpatient我慢できないが語源だそうです。海外でも、種の弾け飛ぶ姿が印象的だったのでしょうね。

 そんな種の様子が、花言葉にも影響しました。

 花言葉は『私に触れないで』『短気』です。


 ギリシャ神話にも、ホウセンカが出てきますよね。宴の席に用意された黄金のリンゴを盗んだと疑われた女神が、無実の罪で追放されてしまいます。

 だけど、女神は真犯人を見つけることが出来ず、悔しい思いを抱いたまま死に、その身はホウセンカの花になったそうです。


 神話に出てくるくらい、古くから身近にあった花なのでしょう。


 古くからホウセンカの花で爪を染めていたと言う話がありますね。

 ホウセンカで爪を染める爪紅は、平安時代に中国や朝鮮半島から伝わったようです。

 爪紅は、今でいうマニキュアです。

 平安時代では、ホウセンカの花とホオズキの葉を潰したものを塗ったそうですよ。現代に伝わる潰したホウセンカの花にミョウバンを混ぜて塗る方法は、江戸の頃に流行ったもののようですね。


 今よりももっと時間をかけて、爪に色が馴染むのを待ったでしょう。それを想像すると『私に触れないで』て言いたくなる気持ちも、ちょっと分かるような気がしますね。


 色が染みるのを待ちながら、恋心を寄せる相手を思ったのでしょうか。

 綺麗に赤く色づくかしら?あの人は私の変化に気づくかしら?

 それはちょっと恥ずかしくて、触れて欲しいけど知られたくない……そんな、思いもあったかもしれません。


 ミョウバンは、スーパーでも手軽に手に入るので、ちょっと試しに爪紅を作って、江戸時代のお洒落を体験してみるのも面白そうですね。

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