花言葉 ヘクソカズラ

 毎年、夏になると私を悩ませる植物があります。9月に入っても、まだまだ元気なその植物の名前は『ヘクソカズラ』。そう、9月9日の誕生花の一つです。

 ヘクソカズラの他にも、キクやシオンも同日なんですけどね。その二つは別日にも名前があったので、今日はこの花を選びました。


 可愛らしい花を咲かせるツタ状の植物なんですよ。

 名前を知らない人が見れば「あら可愛らしい、何て名前かしら?」と手に取ってしまうかもしれません。でも、それはとても危険!間違ってもツタや葉を擦ったり、ちぎったりしてはいけません。

 万が一触れてしまうと、指先には何とも言えない悪臭がついてしまいます。


 そう、ヘクソカズラは漢字で書くと屁糞葛。英語でもSkunk vineスカンクのつる草とかStink vine悪臭を放つつる草と呼ばれ、学名パエデリアの語源はラテン語でpaidor悪臭という、誰もが認める悪臭を放つ植物なんです。


 ずいぶん昔のことですが、庭のウッドデッキにヘクソカズラが大量発生したことがあります。

 その頃は花の名前も知らずに、まぁ綺麗と呑気に眺めていたんです。で、ある日の朝、フェンスの下を見たら大量の種が!と思ったら、よくよく見たら虫の糞のようでして……見事な悪臭を放っていたんですよね。


 どうやら、ヘクソカズラの匂いを好んで、葉を食べる虫もいるらしいんです。臭さで外敵から身を守ろうとしているとか。

 なかなかの知恵ものですよね。でも、その葉を食べて糞を撒き散らされたら、こっちはたまったものじゃないです。


 お陰で毎年、ヘクソカズラのツタを見かけたら、旦那が即排除に向かうようになりました。

 我が家でいくら頑張っても、お隣の家から奴らはやってくるんで、今年も困ってるんですけどね。


 そんな『ヘクソカズラ』の花言葉は『人嫌い』『誤解を解きたい』『意外性のある』です。


 人を遠ざける悪臭から、花言葉がついたのは容易に想像がつきますね。意外性って言うのは、可愛らしい花姿に似合わない悪臭だけでなく、実や根が薬にもなるからついたのかもしれませんね。


 ちなみに、ヘクソカズラの実は茶色っぽい丸い粒です。秋から冬にかけて、雑草地でよく見かけます。それが肌荒れに効くとか聞いたことがありますが……やっぱり、匂いはするんでしょうね。

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