花言葉 菩提樹

 お釈迦様が菩提樹の木下で悟りを開いたという話は有名だと思います。でも、悟りを開いたのは『インド菩提樹』で、本日、紹介する『菩提樹』とは似て非なるものなんですよ。


 仏教の教えを持ち帰った栄西さんが、インド菩提樹によく似た『菩提樹』を間違えて紹介してしまい、各地の寺院に植えたられため、広まったという説があります。


 インド菩提樹はクワ科の熱帯の樹木で耐寒性がないので、日本に持ち帰っても育たなかったのかもしれません。だから、よく似たシナノキ科の『菩提樹』を代わりに植えたのではないかな、と、個人的に思ってます。

 だってね。仏教を広めようと熱心に活動していて、その象徴でもある大樹を偽るなんて、心が悼むじゃないですか。


 そんな『菩提樹』ですが、花言葉は『夫婦愛』『結婚』です。


 ギリシア神話が由来になってるようです。


 信心深いフィレモンとバウキスという老夫婦が、貧しい旅人を装った神ヘルメスに、快く一夜の宿を世話し、慎ましいながらももてなしました。そのことで老夫婦は水没した町から救われます。

 その後、二人は神に感謝して神官となります。

 しかし老夫婦は、死によって離ればなれになるのを悲しみ、神に、お互いの骸を埋めることのないよう、息を引き取るときは、同じ時にと願いました。


 願いは届き、最期の時を迎えたフィレモンはカシの木に、バウキスはボダイジュに変わり、神殿の側でその葉を繁らせたそうです。



 うん、なんでフィレモンはカシの木なの?と疑問に思いつつも、これは夫婦の切なる願いだなと思いました。

 同時に安息の最期を迎えるなど、まず難しいですからね。



 インド菩提樹も『菩提樹』も教えの象徴として、青々と葉を繁らせる姿が心に響いたのかもしれませんね。それに、ずいぶんと大きくなる樹木ですし、人の集まる場所となったのかもしれません。


 時には、大きく枝を広げる大樹の下で、大切な人とゆっくり過ごすのも良さそうですね。

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