花言葉 ツユクサ

 子どもの頃、草花を使って遊んだ思い出がある人は少なくないでしょう。笹舟にオオバコ相撲、シロツメクサの花冠にホウセンカのマニキュア。

 どれもが、草花の特徴を活かした遊びですよね。


 この時期に咲くツユクサは、その青い花の色がとても綺麗で、お絵描きに使って遊べるんですよ。

 紙に青いお花を擦り付けると、しっかりとその色素が写ります。その青を、濡らした筆でちょっと塗り広げると色が広がっていきます。水が多いと、色が消えちゃうのも不思議で楽しいんですよね。


 ツユクサの青は水溶性の色素なので、服や布についた場合は、水洗いでも落ちるのもありがたいです。汚れを気にせず色遊びを楽しめるお花です。


 他にも、水をいれたビニール袋にツユクサの花を入れてもみもみして色水を作るのも楽しかった記憶があります。


 そんなツユクサの花言葉は『なつかしい関係』です。

 この花言葉、子どもの頃の記憶になつかしい花だからついた、と言うわけではないようです。

 どうやら、学名である『コメリナ』の由来である植物学者の伯父と甥、二人のコメリンがアムステルダムの薬草園の園長だったことにちなんでいるとか。

 うーん、いまいちこない理由ですね。


 個人的には、子どもの頃を思い出させてくれる花だからとか、あるいは、古くから歌に詠まれるくらい身近にある花だから『なつかしい関係』って言葉がついたって言われた方が、くるような気がします。



 “月草つきくさに 衣ぞ染むる 君がため

    まだらの衣 らむと思ひて”

        (万葉集より、詠み人しらず)


 心を寄せる相手を思い、月草(ツユクサだといわれてます)で衣を染めた時を詠んだ歌ですね。

 相手を思う気持ちに心を染め、丁寧につんだツユクサで染め上げた衣を着て会いに行った時は、嬉しくもあり恥ずかしくもあり、だったのでしょうかね。

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