第21話 既読スルーは駄目じゃない?
ふぅぅ……。
まぁ……なんだな。
なかなかに経験の無いシチュではあったな。
うむ、うむ。
何と言うかなぁ。
これも一種のつり橋効果……と言えるのではなかろうか。
なるほど、なるほど。
一説には身の危険を感じると性欲が増すとも言われているらしいし。
このテーマを更に掘り下げて行けば、論文の一本も書けるやもしれんな。
はてさて。
では早速だが、
えぇっと。
ググって、ぐぐって……っと。
おぉ……。
なんだ、相手が未読の場合は、簡単に削除出来るんじゃないか。
いやいやいや。
これは参ったな。
この様な名作を公開せずして削除するのは名残惜しいが、事ここに至っては致し方あるまい。
では、削除っと。
――ポチリ
おぉ、削除出来たぞ。簡単だな。
……
うん。これで間違い無く削除出来た訳だ
……
ん?
んんんん?
どうした事だ?
何かが引っかかる。
なんだ?
何が不満なんだ?
……
そう言えば……妙だな。
何か……おかしい。
……
これは……。
これは明らかに、おかしいぞ。
だって考えても見ろ。
なのに、この文章が消せてしまった。
つまりそれは、私が
これだけの長い時間、既読が付かないとは一体どういう事だ!?
まっ!
まさか!
これがあの有名な。
既読スルー……。
はうはうはう!
いやいや、まてまて。
今回の場合は、読んですらいないのだから、これはもはや、未読スルー……。
くっ!
未読スルーだとっ!
既読スルーの更に上を行く、未読スルーなどと言う高度な技を仕掛けて来るなんてっ!
そんな
こっ、これは……。
きっ、キツイ……。
正直……キツイ。
「はぁぁぁぁ……失敗したぁぁ……」
しかも、この現象から導き出される結論とは……。
間違い無く
はうわぁぁぁぁ!
こっ、これはマズイ、非常にマズいぞっ!
なにが文学的だ、何が歴史に残る文章だっ!
あ、そこまで言ってないか。
それにしても親友の私に対し、未読スルーと言う
いつまでも
うっ、
そんな事にも気づかぬとは、何たる不始末、何たる
これも全て、私の
「はぁぁぁぁ……ホント、失敗したなぁ、もぉぉ……」
あぁ……これでは親友失格だな……。
はっ!
いや、そうじゃない……。
既に私は……私は……親友では無い……と……言うこと……か。
私は……しっ、親友では……もう……なくなってしまった……のか……。
くっ!
くくっ!
うぐっ!
うぇっ……うぐっ……。
うぇっ……うぇぇぇぇん。
うぇぇぇぇん! うわぁぁあん!
もうダメだ。もう、おしまいだ。
私は……。
私はこのまま、ベッドの中で
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