番外編 もしも日鞠と付き合っていたら? クリスマスデート編②

「先輩、まず何に乗ります?」


俺たちがクリスマスデートの場所に選んだのは、近所でも有名な遊園地だった。この遊園地には、数多くの乗り物があり、ジェットコースターやお化け屋敷、観覧車にメリーゴーランド。日鞠ちゃんと一緒に乗りたい乗り物がたくさんあった。観覧車は、夕日が見えるころに乗れるようにするとして……正直言って、あとの3つは、どんな順番でもいいんだよね。でもまあ、朝からお化け屋敷とか、ジェットコースターはきついだろうから、


「まずはメリーゴーランドに乗らない?」


と、俺は日鞠ちゃんに提案をした。


「……メリーゴーランドですか?……先輩がそんなのを提案してくるなんて、すっごく意外です。」


きょとんとした顔をしながら、日鞠ちゃんがそう言ってくる。……俺がこの提案をするのって、そんなに以外⁉


「でも、先輩が行きたいのなら、一緒に行きましょう‼」


あれ?もしかして日鞠ちゃん、メリーゴーランドに興味なかった?いや、すごく笑顔ではあるんだよ?でもさ、なんか今の言い方が、引っかかったような。




ヤバイヤバイヤバイ、どうしよう‼私、今から先輩と一緒にメリーゴーランド乗るんだよね⁉最高すぎるでしょ‼だってだってだって、白馬に乗った先輩が見られるんだよ‼最高すぎるでしょ‼いや、どん等に何度だって言えるよ、この展開、最高すぎるでしょ‼

そんなことを思いながら、白馬に乗った先輩の姿を妄想していると、いつの間にか、わたしたちの番が来ていた。

白い馬、白い馬、白い馬……あ、あれだ‼


「先輩、あの馬に乗ってくれませんか?」


私は、先輩に向かってそういう。


「あの馬?あの白い馬でいいの?」


先輩は丁寧に、私にそう確認してきてくれる。……先輩、先輩のそういうところ、大好きですよ‼


「はい。ささ、早く乗ってください。せ~んぱい‼」


早く乗ってくれないと、白馬に乗った先輩を写真にとって、待ち受けにするっていう私の夢が、かなわなくなっちゃうよ~‼


「わ、わかった。」


優しい先輩は、私が理由を説明しなかったにもかかわらず、急いで乗ってくれた。

私は、白馬に乗った王子様せんぱいを、一生懸命写真に撮るのだった。

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