第198話 あたりが強い葵さん。

「今日から装飾担当に変わった姫野渚です。今日から5日間、よろしくお願いします。」


次の日、作業開始と同時に、渚ちゃんが、そんなことを言って、俺たち4人のもとにやってきた。……人手が増えるのは、嬉しいことだけど、装飾担当に、実行委員が二人いて、大丈夫なの⁉

俺はそう思ったのだが、文化祭実行委員という肩書は持っているものの、文化祭実行委員としての仕事は全然してないので、特に何も言わないで置いた。

……何もやってないことがばれるとやばいしね。


「いや~、姫野さんも加わってくれて嬉しいよ~。……実は俺達、結構人手が足りてなくてさ~、結構困ってたんだよね~。」


……あれ?大輝って、そんな話し方だったっけ?

なんかちょっと話し方変わってない⁉︎


「いやいや、別に人では足りてるでしょ?私たち4人だけでも、装飾は大丈夫だと思うけど。……それに、渚は他の仕事もあるんじゃないの?」


葵さん。人では確実に足りてないと思いますよ?

ていうかなんか、葵さん、昨日の夜から渚ちゃんに対する当たりが強くない⁉︎……俺の気のせいじゃないよね⁉︎


「ねえねえ、そういえばずっと気になってたんだけど、葵と姫野さん。それとゆうきくんって、どういう関係なの?……姫野さんとゆうきくん、転校初日から、距離がかなり近かった気がするんだけど。」


葵のせいで、また昨日の夜のような、変な空気になりそうだったが、優香さんが、そう言ってくれたこともあって、最悪の状況は回避された。

ありがとう、優香さん‼︎

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