第196話 ごめん祐希、伝え忘れていたことがあるんだけど。
ピリリリリ
渚ちゃんと葵がお風呂から出てくるのを待っていると、突然電話がかかってきた。
……あの二人、昨日は別々に入ってたのに、今日は一緒に入ってるんだな。
「もしもし~。」
4時間も、同じ作業を続け、精神的にも肉体的にも疲れていた俺は、電話の相手が誰かも確認せずに、電話に出た。……ちなみに、4時間頑張っても、まだ150個しか作れていないので、明日も1日、紙を折り続けることになりそうです。
「あ、もしもし祐希。……その、この前伝え忘れていたことがあるんだけれど。」
どうやら、電話の相手は母さんだったようだ。……この前伝え忘れていたことって何だろう。やばい内容じゃないといいんだけれど。
「えっとね、実は父さんが、来年の1月にこっちに帰ってくるんだって。一応、わたしと一緒に住むことになってるんだけど、1日だけ、ゆうきと葵ちゃんの二人が結婚するのにふさわしいか確認するために、祐希たちが住んでいる家に行くんだって。
……だから、その、いろいろ覚悟しておいてね。」
母さんが話してくる話の内容に、やばくないものなど、あるはずがなかった。
……俺と葵が結婚するのにふさわしいのか見極めに来るのか。
父さん、俺と渚ちゃんをくっつけるのは、あきらめたのかな?
「あ、あと来年、奏が帰ってくるから、よろしくね。」
と、母さんが来年、妹の奏が帰ってくることを伝えていたのだが、父さんの件が衝撃的だったこともあり、俺の耳には届いていなかった。
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