第164話 日鞠ちゃんと、一緒にお料理‼︎

ストン、ストン、ストン


テンポよく、そんな音を立てながら、日鞠ちゃんは野菜を切っていく。……どこかの誰かさん達とは違い、素早くそれでいて丁寧に、にんじんや大根を切っていく。その手捌きはとても美しくて、思わず見惚れてしまった。……日鞠ちゃんって本当に、手先が器用だよね。手の動かし方とか、本当に綺麗だし……。本当に、ずっとみてられる。


「日鞠ちゃん、切るの上手いね。」


自分がやるべきこと。じゃがいもの皮を剥くことも忘れて、日鞠ちゃんが野菜を切っていく姿を見ている俺はそう言った。

……仕方ないよね。じゃがいもの皮を剥くのってすっごく面倒くさいし。

……でも、こんなことを言ったら

『だったらなんで肉じゃがなんて作ろうとしたんだよ。』

ツッコミがどこかから飛んできそうだな。


「そうですか?……えへへ〜すっごく嬉しいです。」


みていてこっちも嬉しくなってしまうような可愛い笑顔を浮かべながら、日鞠ちゃんはそういう。

……反応も声も顔も、すっごく可愛いな。

そんな存在そのものが可愛くて、天使のような存在である日鞠ちゃんと、俺は楽しく料理をつくるのだった。

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