第163話 先輩、なにをつくるんですか?
「先輩。今日は何を作るんですか?」
次々と、野菜を並べていく俺に対して、葵ちゃんはそう聞いた。……今日、俺たちが作る料理。それは、
「肉じゃがと豚汁と鮭の塩焼きを作ろうと思う。」
『THE和食』といったメニューを、なぜ作ろうと思ったのか。
それは、遡ること数時間前……
「う〜ん。日鞠ちゃんと、何を作ろうかな〜。」
とあるスーパーで、制服を着た、高校生がそんなことを呟いた。その高校生の名は、中島祐希。……つまり、俺だ。
こんなふうに、時間をかけて自分の状況を説明したわけだが、特に深い理由はない。ただ単に、カッコつけてみたかったからこんなふうに自分の状況を説明してみたのだ。
スーパーで彷徨うこと早10分。大輝に日鞠ちゃんの好きなものを聞いておけば良かったな〜。そんなことを思いながら、日鞠ちゃんと一緒に作るメニューを考える。
……。考えた結果、俺の中の日鞠ちゃんのイメージと、俺の中の和食のイメージがぴったり、がっちり重なったので、晩御飯は和食を作ることに決めた。
『和食』
そう言われて、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。
だし巻き、肉どうふ、おでんなど、和食と言われて思い浮かべるものは、たくさんあるのではないだろうか?……その中でも、作りやすく食べやすい。そして嫌いな人が少ないのは (←個人的な見解です。)、肉じゃが、豚汁、鮭の塩焼きあたりではないだろうか?
そう俺は考えたので、日鞠ちゃんと一緒に作る料理が、この3品に決まったのだ。
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