第157話 気まずい二人
「お邪魔しま~す。」
大輝から渡された鍵を使って俺は大輝の家に入る。……ちなみに、俺に泣きそうな顔をしながら相談をしてきた大輝はというと、
『今日は俺の大好きなアニメのグッズの発売日だから祐希は先に帰ってて。……帰るのは、夜遅くなると思うから、出来れば夕食も作っておいてくれ。母さんたち、今日も帰ってくるのが遅いんだよ。』
などと、自分勝手なことを言って、どこかへ消えて行ってしまった。
「あ、ゆうき先輩……。」
日鞠ちゃんは、大輝に、
『今日は遅くなるから。』
的なことを言われていたのか、普通に部屋から出ていた。
……うん。普通に気まずい。
普通に気まずいのだが、ここで突っ立っていても何も変わらない。
そう思った俺は、日鞠ちゃんにこう言った。
「日鞠ちゃん。久しぶり。……その、これこの前のお礼。もしよかったら受けとって。」
……さすがに、この状況で普段のように話すことができるはずもなく、語彙力と話し方が小学生並みになってしまった。
「あ、ありがとうございます。」
……なんでだろう。この前の方が話しにくかったはずなのに、なんで今日の方が上手く会話ができないんだろう。というかこれからどうしよう……。
俺がそう悩んでいると、
「……先輩。リビングでちょっとお話しませんか?」
日鞠ちゃんがそう言ってくれたので、俺はリビングで日鞠ちゃんと話すことになった。
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